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資金・決済・運営 | 公開 2026.10.15

創業計画書の書き方|日本政策金融公庫の8つの欄を順番に解説。創業の動機・略歴・必要な資金と調達方法・事業の見通しの記入例と、面談で聞かれること

創業計画書の書き方|日本政策金融公庫の8つの欄を順番に解説。創業の動機・略歴・必要な資金と調達方法・事業の見通しの記入例と、面談で聞かれること

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創業融資を申し込むとき、審査の中心になるのが「創業計画書」です。

日本政策金融公庫(以下、公庫)の様式はA3で1枚ですが、8つの欄のどこに何を書けば説得力が出るのかは、様式を見ただけでは分かりません。

この記事では、創業計画書の8つの欄を順番に、ひとり会社向けの記入例つきで説明し、売上の見通しの根拠の作り方、資金と調達の一致、月別収支計画書、面談で聞かれることまでまとめます。

根拠は公庫の「創業計画書」の書式と記入例、「創業の手引」(2024年6月版)、創業計画書セルフチェックリストで、2026年10月15日時点の公開内容を確認しています。融資の条件(自己資金の要件など)は制度の見直しで変わるため、申込前に公庫の最新の案内で確認してください。

筆者はひとり会社の代表として、事業計画書を自分で作った経験をもとに書いています。

記事のポイント
  • 創業計画書は、公庫の様式(A3で1枚)に8つの欄がある。「創業の動機」「経営者の略歴等」「取扱商品・サービス」「取引先・取引関係等」「従業員」「お借入の状況」「必要な資金と調達方法」「事業の見通し」
  • 審査で最も見られるのは「経営者の略歴(この事業の経験があるか)」「自己資金の準備の過程」「売上の見通しの根拠」の3つ。数字は、単価×数量×日数のように積み上げて書く
  • 「必要な資金」の合計と「調達方法」の合計は必ず一致させる。面談では、計画書に書いたことを自分の言葉で説明できるかが見られる

創業計画書の全体像と、審査で見られる3つの点

創業計画書の全体像を、8つの欄の構成・審査で見られる3点(経験・自己資金・売上の根拠)・様式は公庫サイトから入手の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 8つの欄の構成
  • 審査で見られる3つの点
  • 様式と記入例の入手先

8つの欄の構成

創業計画書は、次の8つの欄で構成されています。

1 創業の動機、2 経営者の略歴等、3 取扱商品・サービス、4 取引先・取引関係等、5 従業員、6 お借入の状況、7 必要な資金と調達方法、8 事業の見通し(月平均)。

公庫の手引には「様式に決まりはありません」とあり、自作の計画書も使えますが、公庫の様式に沿って書くのが面談でも話しやすく、確実です。

審査で見られる3つの点

公庫の融資担当者が重視するとされるのは、次の3つです。

1つ目は、経営者の略歴です。これから始める事業に関連する経験があるかどうかで、返済できる事業かの判断が変わります。

2つ目は、自己資金です。額だけでなく、「コツコツ貯めてきたか」という準備の過程が、通帳の履歴で見られます。

3つ目は、売上の見通しの根拠です。「月100万円」という数字そのものより、「単価×客数×日数」のように積み上げられているかが見られます。

様式と記入例の入手先

創業計画書の様式(Excel・PDF)と、業種別の記入例(飲食、美容、学習塾、介護など)は、公庫のサイトの「各種書式ダウンロード」から取得できます。

同じページに「創業計画書セルフチェックリスト」もあり、書いたあとの確認に使います。

欄1〜4の書き方:動機・略歴・商品・取引先

創業計画書の欄1〜4の書き方を、創業の動機は経験と結びつける・経営者の略歴は担当業務と技能まで・取扱商品とセールスポイントと取引先の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 1 創業の動機:経験と、なぜ今かを結びつける
  • 2 経営者の略歴等:勤務先名だけでなく、担当業務と身につけた技能
  • 3 取扱商品・サービス、4 取引先・取引関係等

1 創業の動機:経験と、なぜ今かを結びつける

公庫の記入例では、創業のきっかけ、経歴、技術、事業の特徴などを書くよう案内されています。

「好きだから」ではなく、「○年間この業務に携わり、こういう顧客のニーズを見てきた。それに応える事業を、こういう準備(資金・取引先の確保)をしたうえで始める」という流れで書きます。

4〜6行で、経験→気づき→準備→創業の順にまとめます。

2 経営者の略歴等:勤務先名だけでなく、担当業務と身につけた技能

公庫の手引では、勤務先名だけでなく、担当業務や役職、身につけた技能についても記載することが求められています。

「○○株式会社 営業部 法人営業を5年、年間○件の新規契約」のように、事業に関連する実績を具体的に書きます。

過去の事業経験、取得資格、知的財産権の有無の欄もあり、該当があれば書きます。

3 取扱商品・サービス、4 取引先・取引関係等

取扱商品・サービスには、商品やサービスの内容と、売上に占める割合、そして「セールスポイント」(競合と何が違うか)、「販売ターゲット・販売戦略」(誰に、どうやって売るか)を書きます。

取引先・取引関係等には、販売先、仕入先、外注先を、名称、所在地、取引の割合、回収・支払の条件(掛け・現金、締め日と支払日)とともに書きます。

公庫の記入例では、販売先・仕入先との結びつきがあれば記入し、契約書や注文書があれば添付するとされています。すでに取引の約束がある相手がいれば、それが最も強い根拠です。

欄5〜7の書き方:従業員・借入・必要な資金と調達方法

創業計画書の欄5〜7の書き方を、従業員は3か月以上の継続雇用予定・お借入の状況は正直に・必要な資金と調達方法は左右を一致の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 5 従業員・6 お借入の状況
  • 7 必要な資金:設備資金と運転資金を分けて
  • 7 調達方法:自己資金・親族等・公庫・他の金融機関。左右を一致させる

5 従業員・6 お借入の状況

従業員の欄は、公庫の記入例によると、創業に際して3か月以上継続雇用を予定している従業員数を書きます。ひとり会社なら「0人」で、役員を含めた人数の欄に「1人」です。

お借入の状況には、代表者個人の住宅ローン、自動車ローン、カードローン、事業の借入を、借入先、使いみち、残高、年間返済額とともに正直に書きます。

隠しても信用情報で分かるので、正確に書くことが信用につながります。

7 必要な資金:設備資金と運転資金を分けて

必要な資金は、「設備資金」(パソコン、機械、内装、車、保証金など)と「運転資金」(商品の仕入れ、経費の支払い、当面の生活費に充てる役員報酬など)に分けて、内訳と金額を書きます。

設備資金は、見積書を添付します。

運転資金は、「月の経費○万円×3か月分」のように根拠を示します。

7 調達方法:自己資金・親族等・公庫・他の金融機関。左右を一致させる

調達方法は、自己資金、親・兄弟・知人・友人等からの借入(内訳と返済方法)、公庫からの借入(希望額と返済期間)、他の金融機関等からの借入、の順に書きます。

必要な資金の合計と、調達方法の合計は、必ず一致させます。

自己資金は、通帳で確認できる額を書きます。親からの贈与や借入も、自己資金とは分けて正直に書きます。

記入例を表にまとめます(Web制作のひとり会社の場合)。

必要な資金 金額 調達の方法 金額
設備資金:パソコン・周辺機器(見積書) 40万円 自己資金 150万円
設備資金:ソフトウェア・サイト制作 30万円 公庫からの借入(返済期間5年) 200万円
運転資金:外注費・広告費(3か月分) 90万円
運転資金:経費(家賃・通信・会計ソフト等、3か月分) 60万円
運転資金:当面の役員報酬(3か月分) 130万円
合計 350万円 合計 350万円

欄8の書き方:事業の見通しと、月別収支計画書・面談

創業計画書の欄8と面談を、売上は単価×数量×日数で積み上げ・月別収支計画書で創業当初と軌道に乗った後・面談は計画書を自分の言葉で説明の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 8 事業の見通し:売上高を積み上げで計算し、根拠を書く
  • 月別収支計画書とセルフチェックリスト
  • 面談で聞かれることと、持っていく資料

8 事業の見通し:売上高を積み上げで計算し、根拠を書く

事業の見通しの欄には、「創業当初」と「軌道に乗った後(○年○月頃)」の2つの時点について、月平均の売上高、売上原価、経費(人件費・家賃・支払利息・その他)、利益を書きます。

公庫の記入例では、売上を「900円×25席×0.8回転×26日」のように、単価・数量・日数で積み上げて計算しています。

Web制作なら「月額保守1万円×10社+制作案件20万円×2件=60万円」のように、自分の事業の単位で積み上げます。

経費の欄の人件費には役員報酬を含め、支払利息は「借入金×年利率÷12か月」で計算します。

利益から、借入の返済(月額)を引いても手元に残るかを、自分で確かめます。

月別収支計画書とセルフチェックリスト

創業当初の売上が月ごとに変わる業種では、「月別収支計画書」を添えると、資金繰りの説明がしやすくなります。

公庫の書式には、計画した売上を下回った場合の資金繰りと資金調達方法を書く欄もあります。

書き終えたら、公庫の「創業計画書セルフチェックリスト」で、記入漏れや根拠の不足を確認します。

面談で聞かれることと、持っていく資料

面談では、創業の動機、経験、商品・サービスの内容、売上の根拠、自己資金の準備の経緯、借入の返済の見込み、家族の理解などが聞かれます。

計画書に書いたことを、資料を見ずに自分の言葉で説明できることが大切です。

持っていく資料は、創業計画書、通帳(自己資金の履歴が分かるもの)、設備の見積書、契約書や注文書(あれば)、本人確認書類、法人なら登記事項証明書と定款、許認可が必要な業種は許可証です。

創業計画書の8つの欄の記入ポイント一覧

欄 書くこと ポイント
1 創業の動機 きっかけ・経歴・準備 経験→気づき→準備→創業の流れで
2 経営者の略歴等 勤務先・担当業務・技能・資格 事業に関連する実績を具体的に
3 取扱商品・サービス 内容・売上割合・セールスポイント・販売戦略 競合との違いと、誰にどう売るか
4 取引先・取引関係等 販売先・仕入先・外注先、条件 約束がある相手は契約書・注文書を添付
5 従業員 3か月以上継続雇用の予定人数 ひとり会社は0人(役員1人)
6 お借入の状況 個人・事業の借入 隠さず正確に
7 必要な資金と調達方法 設備資金・運転資金/自己資金・借入 左右の合計を一致、見積書を添付
8 事業の見通し 創業当初・軌道後の売上・経費・利益 単価×数量×日数で積み上げ、返済可能かを確認
ユイユイ

創業計画書って、何を書けば審査に通りやすくなりますか?

ケイケイ

見られるのは3つ。この事業の経験があるか、自己資金をコツコツ準備してきたか、売上の数字に根拠があるか。数字は「単価×数量×日数」で積み上げて書く。

ユイユイ

面談が怖いです。

ケイケイ

計画書に書いたことを、自分の言葉で説明できれば大丈夫。通帳と見積書を持って、聞かれたことに正直に答える。それだけだよ。

よくある質問

創業計画書の様式は、どこで手に入りますか?

日本政策金融公庫のサイトの「各種書式ダウンロード」から、様式と業種別の記入例を取得できます。

審査で最も見られる欄はどこですか?

経営者の略歴(事業の経験)、必要な資金と調達方法(自己資金の準備)、事業の見通し(売上の根拠)の3つです。

売上の見通しは、どう計算すればよいですか?

単価×数量×日数(または件数)で積み上げます。

公庫の記入例も、この形で計算しています。

必要な資金と調達方法の合計が合わないと、どうなりますか?

計画として成り立たないので、必ず一致させます。

自己資金と借入の合計が、設備資金と運転資金の合計になるように調整します。

自己資金はいくら必要ですか?

自己資金の要件は制度の見直しで変わっているため、公庫の最新の案内で確認してください。

額だけでなく、準備の過程(通帳の履歴)が見られます。

面談には何を持っていきますか?

創業計画書、通帳、設備の見積書、契約書や注文書(あれば)、本人確認書類、法人なら登記事項証明書と定款、許認可が必要なら許可証です。

まとめ:次の一手

創業計画書は、公庫の様式の8つの欄(動機・略歴・商品・取引先・従業員・借入・必要な資金と調達方法・事業の見通し)に沿って書き、審査では事業の経験、自己資金の準備、売上の根拠が見られます。

必要な資金と調達方法の合計を一致させ、売上は単価×数量×日数で積み上げ、面談では計画書を自分の言葉で説明します。

次の一手は、公庫のサイトから様式と自分の業種に近い記入例をダウンロードし、「8 事業の見通し」の売上の積み上げから書き始めることです。

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