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税金・申告 | 公開 2026.10.16

償却資産申告書の書き方(法人)|1月末までに市町村へ、対象になる資産とならない資産(10万円未満・一括償却資産・車両は対象外)、種類別明細書の記入(取得年月・取得価額・耐用年数)、評価額の計算は市町村がする、免税点150万円でも申告は必要、増減がない年の書き方、e-Taxとは別のeLTAX

償却資産申告書の書き方(法人)|1月末までに市町村へ、対象になる資産とならない資産(10万円未満・一括償却資産・車両は対象外)、種類別明細書の記入(取得年月・取得価額・耐用年数)、評価額の計算は市町村がする、免税点150万円でも申告は必要、増減がない年の書き方、e-Taxとは別のeLTAX

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毎年1月、市町村から「償却資産申告書」の用紙が届きます。

固定資産税というと土地や建物のイメージですが、パソコンや机などの事業用の備品にも固定資産税がかかり、その申告を会社が自分で行う仕組みです。

この記事では、法人の償却資産申告書の書き方を、償却資産の定義、対象になる資産とならない資産、申告書と種類別明細書の記入、評価額と税額の仕組み、免税点、増減がない年の書き方、提出先と期限、eLTAXでの提出の順に説明します。

根拠は、地方税法(償却資産の定義、申告義務、免税点、税率)、総務省(償却資産申告書の様式)、各市町村の償却資産申告の手引きで、2026年10月16日時点の内容を確認しています。

筆者はひとり会社の償却資産申告書を、固定資産台帳から転記して毎年自分で提出しています。

記事のポイント
  • 償却資産申告書は、1月1日時点で持っている土地・建物・車両以外の事業用資産(パソコン、机、棚、看板、機械など)を、毎年1月31日までに、資産のある市町村(東京23区は都税事務所)に申告する書類。評価額と税額(1.4%)は市町村が計算し、課税標準150万円未満なら免税だが、申告自体は必要
  • 対象になるのは、取得価額10万円以上で減価償却している資産と、30万円未満の特例で全額損金にした資産。対象外は、10万円未満で経費にしたもの、一括償却資産(3年均等)、自動車・軽自動車(自動車税の対象)、ソフトウェアなどの無形資産、創立費などの繰延資産
  • 書くのは、申告書(法人名・所在地・事業種目・資産の合計)と種類別明細書(資産ごとに名称・数量・取得年月・取得価額・耐用年数)。初年度は全資産、2年目以降は増加と減少した資産を書く。固定資産台帳から転記すればよく、会計ソフトの償却資産申告機能やeLTAXで作成できる

償却資産とは:対象になる資産とならない資産

償却資産の範囲を、対象は土地建物車両以外の事業用資産で減価償却するもの・30万円未満の特例で損金にしたものも対象・対象外は10万円未満と一括償却資産と車両とソフトウェアの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 償却資産:土地・建物以外の事業用の有形資産で、減価償却の対象になるもの。パソコン、モニター、机、棚、看板、機械、工具、カメラ、エアコン(建物に固定しないもの)、内装(賃借物件に施した造作)など
  • 対象になる:取得価額10万円以上で減価償却している資産、30万円未満の少額減価償却資産の特例で全額損金にした資産、償却が終わって帳簿価額が1円の資産、他社から借りているリース資産(所有者が申告する場合を除く)
  • 対象外:10万円未満で全額経費にした資産、一括償却資産(10万円以上20万円未満を3年均等償却)、自動車・軽自動車・バイク(自動車税・軽自動車税の対象)、ソフトウェア・商標権などの無形資産、創立費・開業費などの繰延資産、建物そのもの

償却資産:土地・建物以外の事業用の有形資産で、減価償却の対象になるもの。パソコン、モニター、机、棚、看板、機械、工具、カメラ、エアコン(建物に固定しないもの)、内装(賃借物件に施した造作)など

償却資産は、固定資産税の対象のうち、土地と建物(家屋)以外の事業用資産です。

会社が持っている有形の資産で、減価償却の対象になるものが該当し、ひとり会社では、パソコン、モニター、机、棚、カメラ、看板、業務用の機械や工具などです。

賃借した事務所に施した内装や造作も、借主の償却資産として申告の対象です。

対象になる:取得価額10万円以上で減価償却している資産、30万円未満の少額減価償却資産の特例で全額損金にした資産、償却が終わって帳簿価額が1円の資産、他社から借りているリース資産(所有者が申告する場合を除く)

減価償却している資産はすべて対象です。

30万円未満の特例で買った年に全額損金にした資産は、法人税では経費になっていても、償却資産税では資産として申告します。

償却が終わって帳簿価額が1円になった資産も、使っている限り申告の対象です(廃棄したら減少として申告します)。

対象外:10万円未満で全額経費にした資産、一括償却資産(10万円以上20万円未満を3年均等償却)、自動車・軽自動車・バイク(自動車税・軽自動車税の対象)、ソフトウェア・商標権などの無形資産、創立費・開業費などの繰延資産、建物そのもの

10万円未満で消耗品費にした資産と、一括償却資産(3年均等償却を選んだもの)は、申告の対象外です。

10万円以上20万円未満の資産を、30万円未満の特例で全額損金にすると償却資産の対象になり、一括償却資産にすると対象外になる、という違いがあります。

自動車は自動車税の対象なので除き、ソフトウェアなどの無形資産と繰延資産も除きます。

申告書と種類別明細書の書き方

償却資産申告書の記入を、申告書は法人名と所在地と事業種目と資産の合計・種類別明細書は資産ごとに名称と取得年月と取得価額と耐用年数・固定資産台帳から転記の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 申告書(第26号様式):法人名、所在地、代表者、事業種目、資本金、資産の所在地、税理士の有無、資産の種類ごとの取得価額の合計(前年前に取得・前年中に減少・前年中に取得・計)、評価額の合計(市町村が計算するので空欄可)
  • 種類別明細書(増加資産・全資産用):資産の種類(1構築物、2機械及び装置、3船舶、4航空機、5車両及び運搬具、6工具・器具及び備品)、資産の名称、数量、取得年月、取得価額、耐用年数、増加事由
  • 転記元:会計ソフトの固定資産台帳。資産の種類と耐用年数は台帳と同じ。取得価額は消費税の経理方式に合わせる(税抜経理なら税抜、税込経理なら税込)

申告書(第26号様式):法人名、所在地、代表者、事業種目、資本金、資産の所在地、税理士の有無、資産の種類ごとの取得価額の合計(前年前に取得・前年中に減少・前年中に取得・計)、評価額の合計(市町村が計算するので空欄可)

申告書の表面に、会社の基本情報(法人名、所在地、代表者、事業種目、資本金、事業開始年月)を書きます。

資産の種類ごとに、「前年前に取得したもの」「前年中に減少したもの」「前年中に取得したもの」「計」の取得価額を書きます。

評価額、決定価格、課税標準額の欄は、市町村が計算して通知するので、空欄か記入不要です(市町村の手引きに従います)。

種類別明細書(増加資産・全資産用):資産の種類(1構築物、2機械及び装置、3船舶、4航空機、5車両及び運搬具、6工具・器具及び備品)、資産の名称、数量、取得年月、取得価額、耐用年数、増加事由

種類別明細書には、資産を1つずつ書きます。

ひとり会社の備品は、ほとんどが「6 工具、器具及び備品」で、看板や外構は「1 構築物」です。

資産の名称(「ノートパソコン」「事務机」)、数量、取得年月(2026年4月なら「6・04」のように元号と年月)、取得価額、耐用年数(パソコン4年、事務机8年、カメラ5年など)、増加事由(新品取得・中古取得・移動)を書きます。

転記元:会計ソフトの固定資産台帳。資産の種類と耐用年数は台帳と同じ。取得価額は消費税の経理方式に合わせる(税抜経理なら税抜、税込経理なら税込)

書く内容は、会計ソフトの固定資産台帳とまったく同じです。

台帳に登録した資産を、対象外(一括償却資産・車両・ソフトウェア)を除いて転記します。

取得価額は、会社の消費税の経理方式に合わせます。免税事業者は税込です。

評価額と税額の仕組み、免税点、増減がない年

償却資産税の仕組みを、評価額は市町村が計算し税率1.4%・課税標準150万円未満は免税だが申告は必要・増減がない年も申告するの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 評価額:市町村が、取得価額と耐用年数から、固定資産評価基準の減価率で計算(初年度は半年分の減価)。評価額の合計が課税標準額で、税率1.4%。納付は年4回(市町村により6月・9月・12月・2月など)の納付書
  • 免税点:同じ市町村内の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されない。ただし申告は必要(申告しないと市町村が資産を把握できない)。ひとり会社の備品だけなら、免税になることが多い
  • 増減がない年:前年と資産に増減がなくても、申告書に「増減なし」として提出する(市町村によっては「該当資産なし」や「増減なし」の欄にチェック)。廃棄した資産は減少として申告しないと課税が続く

評価額:市町村が、取得価額と耐用年数から、固定資産評価基準の減価率で計算(初年度は半年分の減価)。評価額の合計が課税標準額で、税率1.4%。納付は年4回(市町村により6月・9月・12月・2月など)の納付書

申告した取得価額と耐用年数から、市町村が評価額を計算します。

評価額は、取得価額に耐用年数ごとの減価残存率を掛けて毎年減らしていき(取得の年は半年分)、取得価額の5%が下限です。

評価額の合計が課税標準額で、これに1.4%を掛けた額が年税額です。納付書が届いたら、年4回に分けて(または一括で)納めます。

免税点:同じ市町村内の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されない。ただし申告は必要(申告しないと市町村が資産を把握できない)。ひとり会社の備品だけなら、免税になることが多い

課税標準額の合計が150万円未満なら、償却資産税はかかりません。

パソコン数台と机や棚程度のひとり会社は、評価額の合計が150万円に届かず、免税になることが多いです。

免税でも申告は必要で、申告をもとに市町村が「免税」と判断します。

増減がない年:前年と資産に増減がなくても、申告書に「増減なし」として提出する(市町村によっては「該当資産なし」や「増減なし」の欄にチェック)。廃棄した資産は減少として申告しないと課税が続く

資産の増減がない年も、申告書を提出します。

多くの市町村の様式には「増減なし」のチェック欄や備考欄があり、そこに記載して種類別明細書は省略できます(市町村の手引きで確認)。

資産を廃棄したり売ったりした場合は、「減少」として申告しないと、市町村の台帳に残って課税が続きます。

提出先と期限、eLTAXでの提出、固定資産台帳との管理

償却資産申告の提出を、資産のある市町村に1月31日まで・eLTAXで電子申告できる・固定資産台帳を1月1日時点で整理の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 提出先:資産が所在する市町村(本店所在地とは限らない。事務所が別の市にあればそこ)。東京23区は都税事務所。複数の市町村に資産があれば、それぞれに申告
  • 期限:毎年1月31日(土日なら翌開庁日)。1月1日現在の資産の状況で申告。遅れても受け付けられるが、延滞金や過料の規定がある
  • eLTAX:電子申告ができ、会計ソフトの償却資産申告機能やeLTAXのPCdeskで作成・送信。法人税のe-Taxとは別のシステムなので、eLTAXの利用者IDが必要

提出先:資産が所在する市町村(本店所在地とは限らない。事務所が別の市にあればそこ)。東京23区は都税事務所。複数の市町村に資産があれば、それぞれに申告

償却資産税は、資産が置いてある市町村が課税します。

本店が自宅で資産も自宅にあるなら、自宅の市町村です。バーチャルオフィスが本店で、実際の資産は自宅にあるなら、自宅の市町村に申告します。

東京23区は、区ではなく都税事務所に提出します。

期限:毎年1月31日(土日なら翌開庁日)。1月1日現在の資産の状況で申告。遅れても受け付けられるが、延滞金や過料の規定がある

申告の基準日は1月1日で、その時点で持っている資産を、1月31日までに申告します。

12月に買った資産も1月1日には持っているので、その年の申告に含めます。

期限に遅れても申告は受け付けられますが、地方税法には不申告の過料の規定があり、市町村によっては通知が来ます。

eLTAX:電子申告ができ、会計ソフトの償却資産申告機能やeLTAXのPCdeskで作成・送信。法人税のe-Taxとは別のシステムなので、eLTAXの利用者IDが必要

償却資産申告書は、eLTAX(地方税の電子申告システム)で提出できます。

法人税のe-Taxとは別のシステムなので、eLTAXの利用者IDと、提出先の市町村の登録が必要です(法人住民税の申告で登録済みなら、同じIDで使えます)。

会計ソフトの償却資産申告機能があれば、固定資産台帳から申告書と種類別明細書を自動で作り、eLTAXに送信できます。

資産の種類別の申告対象の判定

資産 法人税の処理 償却資産の申告
8万円のモニター 消耗品費(全額経費) 対象外
15万円のパソコン(一括償却資産を選択) 3年均等償却 対象外
15万円のパソコン(30万円未満の特例を選択) 全額損金 対象
25万円のカメラ(30万円未満の特例) 全額損金 対象
40万円の機械 減価償却 対象
償却済みで帳簿価額1円の机 償却なし 対象(使っている限り)
軽自動車 減価償却 対象外(軽自動車税)
業務用ソフトウェア(買い切り) 減価償却(無形) 対象外
創立費 繰延資産の償却 対象外
賃借事務所の内装工事30万円 減価償却(建物附属設備など) 対象(借主の償却資産)
ユイユイ

1月に市役所から償却資産申告書が届きました。うちはパソコン2台くらいしか資産がないのですが、出す必要がありますか?

ケイケイ

出す必要がある。評価額が150万円未満なら税金はかからないけど、申告は義務。固定資産台帳のパソコンを種類別明細書に転記して、1月31日までに出そう。

ユイユイ

30万円未満の特例で全額経費にしたパソコンも書くんですか?

ケイケイ

書く。法人税では経費でも、償却資産税では資産。逆に、一括償却資産(3年均等)にしたものと10万円未満のものは書かなくていい。

よくある質問

償却資産申告書とは何ですか?

1月1日時点で持っている土地・建物・車両以外の事業用資産を、毎年1月31日までに市町村に申告する書類で、固定資産税(償却資産)の計算の元になります。

どんな資産が対象ですか?

パソコン、机、棚、看板、機械、工具など、10万円以上で減価償却している資産と、30万円未満の特例で全額損金にした資産です。

対象にならない資産は?

10万円未満で経費にしたもの、一括償却資産、自動車・軽自動車、ソフトウェア、創立費などの繰延資産、建物そのものです。

税額は自分で計算しますか?

しません。

取得価額と耐用年数を申告すれば、市町村が評価額と税額(1.4%)を計算して納付書を送ります。

資産が少なくて免税になる場合も申告が必要ですか?

必要です。

課税標準150万円未満なら課税されませんが、申告をもとに市町村が判断します。

前年と資産が変わらない年は?

「増減なし」として申告書を提出します。

廃棄した資産があれば減少として申告します。

まとめ:次の一手

償却資産申告書は、1月1日時点のパソコンや机などの事業用資産(10万円以上で減価償却しているものと30万円未満の特例で損金にしたもの)を、固定資産台帳から種類別明細書に転記して、1月31日までに資産のある市町村に提出します。

一括償却資産・10万円未満・車両・ソフトウェアは対象外で、評価額と税額は市町村が計算し、150万円未満なら免税ですが申告は必要です。

次の一手は、固定資産台帳を開いて、対象の資産と対象外の資産に分け、eLTAXの利用者IDで提出先の市町村を登録しておくことです。

出し忘れた場合の対処は、あわせて読みたい記事で確認してください。