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社会保険・給与 | 公開 2026.10.15

算定基礎届の電子申請のやり方|ひとり社長向けに、届書作成プログラムとe-Govの手順、「従前改定月」の意味、書き方をわかりやすく

算定基礎届の電子申請のやり方|ひとり社長向けに、届書作成プログラムとe-Govの手順、「従前改定月」の意味、書き方をわかりやすく

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毎年6月になると、年金事務所から「算定基礎届」の用紙が届きます。

役員ひとりで報酬が毎月同じなら、書くことは単純です。

ただ、「従前改定月」のような見慣れない欄があり、紙で出すと年に一度の書き方を毎年忘れます。

この記事では、算定基礎届を電子申請で出す手順と、欄の意味、ひとり社長の書き方をまとめます。

根拠は日本年金機構の「定時決定(算定基礎届)」と「令和8年度の算定基礎届のご提出について」で、2026年10月15日時点の内容を確認しています。

筆者はひとり会社の代表として、算定基礎届を自分で、電子申請で出しています。

記事のポイント
  • 算定基礎届は、毎年7月1日から7月10日までに、4・5・6月に払った報酬の平均を年金事務所に届け出て、9月からの標準報酬月額を決め直す手続き
  • 電子申請は、gBizIDプライムを取り、日本年金機構の「届書作成プログラム」で届書を作って、e-Govから送るだけ。紙より早く、控えも残る
  • 「従前改定月」は、いまの標準報酬月額が決まった年月(前年の定時決定なら前年9月)。「従前の標準報酬月額」は、いま適用されている額。役員報酬が固定なら、4〜6月は同じ額を3回書く

算定基礎届とは:対象者・提出期限・何を決めるのか

算定基礎届の基本を、4〜6月の報酬の平均で決める・提出は7月1日から7月10日・9月から翌年8月に適用の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 何のための届出か(定時決定)
  • 対象者と提出期限
  • 決まった標準報酬月額はいつから使われるか

何のための届出か(定時決定)

健康保険と厚生年金の保険料は、「標準報酬月額」という等級で決まります。

この等級を、毎年1回、実際の報酬に合わせて決め直す手続きが「定時決定」で、そのために出す書類が「被保険者報酬月額算定基礎届」です。

4月・5月・6月に支払った報酬の平均を届け出て、年金事務所が等級を決めます。

対象者と提出期限

対象は、7月1日現在のすべての被保険者と70歳以上被用者です。

役員ひとりの会社なら、社長自身が対象です。

提出期間は、7月1日から7月10日までです。10日が土日なら翌営業日が期限です。

6月1日以降に資格を取得した人、6月30日以前に退職した人、7月に月額変更届を出す人は、算定基礎届の対象から外れます。

決まった標準報酬月額はいつから使われるか

届け出た内容で決まった標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月まで使われます。

9月分の保険料は10月末に納めるので、実際に保険料の額が変わるのは10月末の引き落としからです。

役員報酬を変えていなければ、等級も保険料も変わらないのが普通です。

電子申請の準備:gBizIDと届書作成プログラム

算定基礎届の電子申請の準備を、gBizIDプライムの取得・届書作成プログラムの導入・事業所情報の登録の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • gBizIDプライムを取る
  • 届書作成プログラムを入れる
  • 事業所情報と被保険者情報を登録する

gBizIDプライムを取る

電子申請の本人確認には、gBizID(ジービズアイディー)という法人向けの共通認証を使います。

社会保険の手続きには「gBizIDプライム」が必要で、取得は無料です。

申請は、gBizIDのサイトで申請書を作り、印鑑証明書を添えて郵送するか、マイナンバーカードを使ってオンラインで行います。

取得まで1〜2週間かかるので、7月に間に合わせるなら5月中に申請しておきます。

商業登記電子証明書を持っていれば、そちらでも電子申請できます。

届書作成プログラムを入れる

日本年金機構のサイトから、無料の「届書作成プログラム」をダウンロードしてパソコンに入れます。

このプログラムで、算定基礎届をはじめ、資格取得届、月額変更届、賞与支払届などの届書データを作れます。

年金事務所から届く「ターンアラウンドCD」や、事業所向けオンラインサービスで入手した被保険者情報を取り込むと、氏名や従前の標準報酬月額があらかじめ入った状態から始められます。

事業所情報と被保険者情報を登録する

初めて使うときは、事業所整理記号、事業所番号、会社名、所在地を登録します。

事業所整理記号と事業所番号は、年金事務所から届く納入告知書や適用通知書に書かれています。

被保険者情報は、ターンアラウンドCDから取り込むか、手入力します。役員ひとりなら、自分の分だけです。

一度登録すれば、翌年以降はそのまま使えます。

算定基礎届の作り方と送信:ひとり社長の記入例

算定基礎届の作成と送信を、4〜6月の報酬を入力・従前改定月と従前の標準報酬月額・e-Govで送信して受付通知を確認の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 4〜6月の報酬と支払基礎日数の入力
  • 「従前改定月」「従前の標準報酬月額」の意味
  • e-Govから送信して受付通知を確認する

4〜6月の報酬と支払基礎日数の入力

届書作成プログラムで算定基礎届を選び、被保険者ごとに4月・5月・6月の「支払基礎日数」と「報酬月額(通貨・現物)」を入力します。

支払基礎日数は、その月の報酬計算のもとになった日数です。

月給制の役員なら、暦日数(4月は30日、5月は31日、6月は30日)を書きます。

役員報酬が月20万円で固定なら、通貨の欄に3か月とも200,000円と入力し、合計600,000円、平均200,000円になります。

交通費の定期代を会社が負担している場合は、報酬に含めて書きます。

平均額は、支払基礎日数が17日以上の月だけで計算します。役員で毎月報酬が払われていれば、3か月とも対象です。

「従前改定月」「従前の標準報酬月額」の意味

届書には「従前改定月」と「従前の標準報酬月額」という欄があります。

「従前の標準報酬月額」は、いま適用されている標準報酬月額(健康保険と厚生年金それぞれ)です。

「従前改定月」は、その標準報酬月額が決まった年月です。

前年の算定基礎届で決まったなら「前年の9月」、年の途中で月額変更届を出したなら「その改定月」、前年9月以降に入社や設立で資格を取ったなら「資格取得の月」になります。

設立1年目で、前年の7月以降に資格を取得した人は、従前改定月が資格取得の年月になります。

ターンアラウンドCDを取り込んでいれば、この2つの欄は自動で入ります。

e-Govから送信して受付通知を確認する

届書データができたら、プログラムから電子申請用のファイルを出力し、e-Gov(イーガブ)にgBizIDでログインして送信します。

日本年金機構の「事業所向けオンラインサービス」から送る方法もあります。

送信後、e-Govのマイページに「到達」「審査中」「手続終了」と状況が表示されます。

審査が終わると、「標準報酬決定通知書」が電子公文書として届くので、ダウンロードして保存します。

紙の場合は郵送で通知書が届きますが、電子なら控えも通知書も手元のパソコンに残ります。

役員報酬が固定のひとり社長が注意する点

ひとり社長の算定基礎届の注意点を、7月に報酬を変えるなら月額変更届・報酬が変わっていなければ等級は同じ・紙で出す場合は10日までに郵送の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 7月に報酬を変えるときは月額変更届
  • 報酬が変わっていなければ結果は同じ
  • 紙で出す場合

7月に報酬を変えるときは月額変更届

期首が4月の会社で、6月末に役員報酬を変えて7月分から新しい額になる場合は、7月が「随時改定」の月に当たることがあります。

7月・8月・9月に随時改定が予定されている人は、算定基礎届ではなく月額変更届を出します。

日本年金機構の案内でも、7月随時改定者は月額変更届を提出し、8月・9月の予定者はその旨を申し出ると書かれています。

役員報酬を変えた年は、どちらの届出になるかを先に確認してください。

報酬が変わっていなければ結果は同じ

役員報酬を前年から変えていなければ、算定の結果も前年と同じ等級になり、保険料は変わりません。

それでも、届出は毎年必要です。

「変わっていないから出さなくていい」ではなく、「変わっていないことを届け出る」と考えてください。

出さないままだと、年金事務所から提出の催促が来ます。

紙で出す場合

電子申請を使わない場合は、6月中旬に届く用紙に記入して、7月10日までに事務センターか年金事務所に郵送します。

用紙には被保険者の氏名や従前の標準報酬月額が印字されているので、4〜6月の報酬と日数を書き込むだけです。

控えが必要なら、コピーを取ってから送ります。

算定基礎届・月額変更届・賞与支払届の違い

届出 いつ出すか 何を決めるか ひとり社長での頻度
算定基礎届(定時決定) 毎年7月1日〜7月10日 9月からの標準報酬月額 毎年1回
月額変更届(随時改定) 報酬を変えて2等級以上動いたとき、3か月経過後 変動月から4か月目以降の標準報酬月額 報酬を変えた年だけ
賞与支払届 賞与を払った日から5日以内 賞与にかかる保険料 事前確定届出給与を出す場合のみ
ユイユイ

「従前改定月」って、何を書けばいいんですか? 毎年ここで止まります。

ケイケイ

いまの標準報酬月額が決まった年月のこと。去年の算定基礎届で決まったなら「去年の9月」。途中で月額変更届を出していたら、その改定の月だよ。

ユイユイ

報酬はずっと同じなんですが、毎年出す必要がありますか?

ケイケイ

ある。「変わっていない」と届け出るのが算定基礎届。電子申請なら、去年のデータを呼び出して日付を直すだけで終わるよ。

よくある質問

算定基礎届は、いつからいつまでに出しますか?

7月1日から7月10日までです。

10日が土日の場合は、翌営業日が期限になります。

「従前改定月」には何を書きますか?

いま適用されている標準報酬月額が決まった年月です。

前年の定時決定で決まったなら前年9月、月額変更届で改定したならその月、新しく資格を取得したなら取得した月です。

役員報酬が毎月同じでも、出す必要がありますか?

あります。

結果の等級が同じでも、7月1日現在の被保険者は全員が対象です。

電子申請には何が必要ですか?

gBizIDプライム(または商業登記電子証明書)と、日本年金機構の届書作成プログラム、そしてe-Govのアカウントです。

いずれも無料で用意できます。

決まった標準報酬月額は、いつから適用されますか?

その年の9月から翌年8月までです。

9月分の保険料は10月末に納めるので、引き落とし額が変わるのは10月末からです。

7月に役員報酬を変えたときは、どうすればよいですか?

7月に随時改定(2等級以上の変動)に当たる場合は、算定基礎届ではなく月額変更届を出します。

8月や9月に随時改定の予定がある場合は、算定基礎届にその旨を記載して申し出ます。

まとめ:次の一手

算定基礎届は、毎年7月1日から7月10日までに、4〜6月の報酬の平均を届け出て、9月からの標準報酬月額を決め直す手続きです。

電子申請は、gBizIDプライムを取り、届書作成プログラムで作って、e-Govから送るだけで、控えと決定通知書がパソコンに残ります。

「従前改定月」は、いまの標準報酬月額が決まった年月です。役員報酬が固定なら、4〜6月に同じ額を3回書いて終わりです。

次の一手は、まだgBizIDプライムを持っていなければ、5月中に申請しておくことです。

役員報酬を変えた年は、算定基礎届ではなく月額変更届になることがあるので、役員報酬の変更タイミングの記事もあわせて確認してください。