古物商の許可証を受け取ったら、営業を始める前に「標識」を営業所に掲示する義務があります。
いわゆる古物商プレートで、様式が細かく決まっており、ネットで販売する場合は画面への表示も必要です。
この記事では、古物商の標識の作り方と掲示を、様式の決まり、掲示する場所、ネット販売での表示、作る方法と費用、罰則、法人名の書き方、変更時の作り直しの順に説明します。
根拠は、古物営業法(12条の標識の掲示、13条のインターネットでの表示)、古物営業法施行規則(標識の様式、品目の区分、表示事項)、各都道府県警察の案内で、2026年10月16日時点の内容を確認しています。
筆者は古物商の許可を自分で取り、標識を作って営業所に掲示し、ネット販売の表示も自分で設定しました。
- 古物商の標識は、縦8cm以上×横16cm以上、紺色の地に白文字で、主に扱う品目名(「衣類商」など13区分)、許可証の番号(12桁)、氏名または名称(法人は登記の商号)を記載した、金属やプラスチックなど容易に変更できない材質のプレート。営業所ごとに、公衆の見やすい場所に掲示する
- ネットで販売する場合は、プレートとは別に、ホームページやショップの画面に、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を、トップページまたは取引画面から容易に見られる場所に表示する義務がある。フリマアプリやモールの出店ページでも同じ
- プレートは、都道府県の防犯協会や古物商防犯協力会、看板業者、ネットの業者で2,000〜5,000円程度で作れ、様式を満たせば自作も可。掲示しないと10万円以下の罰金の対象。許可番号・名称・品目が変わったら作り直す
標識の様式の決まり
- 大きさと色:縦8cm以上、横16cm以上の長方形。地の色は紺色、文字は白色。材質は金属、プラスチックなど、容易に書き換えられないもの(紙に印刷して貼るのは不可)
- 記載事項:1 主として取り扱う古物の品目(13区分のいずれか1つを「○○商」と表記:美術品商、衣類商、時計・宝飾品商、自動車商、自動二輪車・原動機付自転車商、自転車商、写真機商、事務機器商、機械工具商、道具商、皮革・ゴム製品商、書籍商、金券商)、2 許可証の番号(「第○○○○○○○○○○○○号」の12桁)、3 氏名または名称(個人は本名、法人は登記上の商号)
- レイアウト:施行規則の様式では、上段に品目名、中段に許可番号、下段に氏名または名称。許可をした公安委員会の名称は、プレートには不要(ネットの表示では必要)
大きさと色:縦8cm以上、横16cm以上の長方形。地の色は紺色、文字は白色。材質は金属、プラスチックなど、容易に書き換えられないもの(紙に印刷して貼るのは不可)
標識の様式は、古物営業法施行規則で定められています。
大きさは縦8cm以上、横16cm以上で、これより大きい分には構いません。
地の色は紺色、文字は白色で、材質は金属やプラスチックのように簡単に書き換えられないものです。紙に印刷したものや、手書きの紙は認められません。
記載事項:1 主として取り扱う古物の品目(13区分のいずれか1つを「○○商」と表記:美術品商、衣類商、時計・宝飾品商、自動車商、自動二輪車・原動機付自転車商、自転車商、写真機商、事務機器商、機械工具商、道具商、皮革・ゴム製品商、書籍商、金券商)、2 許可証の番号(「第○○○○○○○○○○○○号」の12桁)、3 氏名または名称(個人は本名、法人は登記上の商号)
記載するのは3つです。
主に扱う古物の品目を、許可申請で「主として取り扱う品目」として届けた区分に合わせて「衣類商」「道具商」のように書きます。複数の品目を扱っていても、プレートには主たる1つだけです。
許可証の番号は、許可証に記載された12桁を「第○○号」の形で書きます。
氏名または名称は、個人なら本名、法人なら登記されている商号です。
レイアウト:施行規則の様式では、上段に品目名、中段に許可番号、下段に氏名または名称。許可をした公安委員会の名称は、プレートには不要(ネットの表示では必要)
施行規則の様式は、3段の構成です。
上段に品目名、中段に許可証の番号、下段に氏名または名称を配置します。
許可をした公安委員会の名称(「東京都公安委員会」など)は、プレートには記載不要ですが、ネット販売の画面表示では必要です。
掲示する場所と、ネット販売での表示
- 掲示する場所:営業所ごとに、公衆の見やすい場所。店舗なら入口やレジの近く、自宅が営業所なら玄関の内側や作業部屋の入口など、警察官が立入検査で確認できる場所。営業所が複数あれば、それぞれに掲示
- 行商や古物市場:行商(営業所の外での取引)をするときは、許可証(または行商従業者証)を携帯する。標識は営業所用で、持ち歩くものではない
- ネット販売の表示(古物営業法13条):ホームページ、ネットショップ、フリマアプリやモールの出店ページで古物を売る場合は、画面に、1 氏名または名称、2 許可をした公安委員会の名称、3 許可証の番号、を表示する。トップページか、取引画面(商品ページ・特定商取引法の表示ページ)から容易に見られる場所に。フリマアプリのプロフィール欄に書く方法が一般的
掲示する場所:営業所ごとに、公衆の見やすい場所。店舗なら入口やレジの近く、自宅が営業所なら玄関の内側や作業部屋の入口など、警察官が立入検査で確認できる場所。営業所が複数あれば、それぞれに掲示
標識は、営業所ごとに、公衆の見やすい場所に掲示します。
店舗なら入口やレジの近くで、自宅を営業所にしているひとり会社なら、玄関の内側や、古物を保管・作業している部屋の入口に掲示します。
警察官が立入検査に来たときに、すぐに確認できる場所であれば足ります。
行商や古物市場:行商(営業所の外での取引)をするときは、許可証(または行商従業者証)を携帯する。標識は営業所用で、持ち歩くものではない
営業所の外で古物を買い取る「行商」や、古物市場に行くときは、標識ではなく許可証を携帯します。
標識は営業所に固定して掲示するもので、持ち歩く必要はありません。
ネット販売の表示(古物営業法13条):ホームページ、ネットショップ、フリマアプリやモールの出店ページで古物を売る場合は、画面に、1 氏名または名称、2 許可をした公安委員会の名称、3 許可証の番号、を表示する。トップページか、取引画面(商品ページ・特定商取引法の表示ページ)から容易に見られる場所に。フリマアプリのプロフィール欄に書く方法が一般的
ネットで古物を販売する場合は、プレートとは別に、画面への表示義務があります。
表示するのは、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称(「○○県公安委員会」)、許可証の番号の3つです。
自社のネットショップなら、特定商取引法の表示ページに一緒に書くのが一般的で、フリマアプリやモールならプロフィール欄やショップ情報の欄に書きます。「東京都公安委員会 第○○号 合同会社○○」のように1行で表示します。
作る方法と費用、法人名の書き方
- 作る方法1:都道府県の防犯協会や古物商防犯協力会で購入(許可証の写しを示して注文。様式が確実で、2,000〜4,000円程度)。許可証の交付時に警察署で案内されることがある
- 作る方法2:看板業者やネットの標識製作業者に注文(品目・番号・名称を伝えて製作。アクリルや金属で2,000〜5,000円程度。数日〜1週間)。「古物商プレート」で検索すると業者が見つかる
- 作る方法3:自作(アクリル板やアルミ板に、紺地白文字のシールやカッティングシートを貼る。様式(大きさ・色・材質・記載事項)を満たせば可)。法人名の書き方:登記上の商号を「合同会社○○」と略さずに(「(同)○○」や屋号は不可)
作る方法1:都道府県の防犯協会や古物商防犯協力会で購入(許可証の写しを示して注文。様式が確実で、2,000〜4,000円程度)。許可証の交付時に警察署で案内されることがある
最も確実なのは、都道府県の防犯協会や、古物商の防犯協力会で作ってもらう方法です。
許可証の写しを示して注文すれば、様式どおりのプレートが届きます。
許可証を受け取るときに、警察署で案内のチラシを渡されることがあります。
作る方法2:看板業者やネットの標識製作業者に注文(品目・番号・名称を伝えて製作。アクリルや金属で2,000〜5,000円程度。数日〜1週間)。「古物商プレート」で検索すると業者が見つかる
ネットの標識製作業者に注文する方法もあります。
品目、許可番号、氏名または名称を伝えると、アクリルや金属のプレートを数日から1週間で製作して送ってくれます。
費用は2,000〜5,000円程度で、防犯協会と大きくは変わりません。
作る方法3:自作(アクリル板やアルミ板に、紺地白文字のシールやカッティングシートを貼る。様式(大きさ・色・材質・記載事項)を満たせば可)。法人名の書き方:登記上の商号を「合同会社○○」と略さずに(「(同)○○」や屋号は不可)
様式を満たせば、自作も認められます。
紺色のアクリル板やアルミ板に、白文字のカッティングシートを貼る方法が一般的です。
法人の名称は、登記されている商号を略さずに「合同会社○○」と書きます。「(同)○○」のような略記や、屋号・ブランド名は認められません。
罰則と、変更したときの作り直し
- 罰則:標識を掲示しない、ネットで表示しない→10万円以下の罰金(古物営業法35条)。立入検査で指摘されると、まず指導、改善しないと処分。許可を取ったのに掲示していない古物商が意外に多く、立入検査で最初に見られる
- 作り直しが必要なとき:許可証の番号が変わった(許可の取り直し。都道府県をまたぐ本店移転は、2018年の法改正後は主たる営業所の都道府県の許可に一本化されているので、変更届で番号は変わらないことが多い)、法人名(商号)を変更した、主として取り扱う品目を変更した(変更届を出したうえで、プレートも新しい品目に)。氏名や名称の変更は、変更届(14日以内)と合わせて作り直す
- ネット表示の更新:商号や許可番号が変わったら、ホームページやフリマのプロフィールの表示も同時に更新。古い番号の表示は虚偽の表示になりうる
罰則:標識を掲示しない、ネットで表示しない→10万円以下の罰金(古物営業法35条)。立入検査で指摘されると、まず指導、改善しないと処分。許可を取ったのに掲示していない古物商が意外に多く、立入検査で最初に見られる
標識の未掲示とネットの未表示は、10万円以下の罰金の対象です。
警察の立入検査では、許可証、標識、台帳の3つが最初に確認されます。
許可を取って安心し、標識を作らないまま営業している古物商は少なくなく、指摘されるとまず指導を受け、改善しないと処分されます。
作り直しが必要なとき:許可証の番号が変わった(許可の取り直し。都道府県をまたぐ本店移転は、2018年の法改正後は主たる営業所の都道府県の許可に一本化されているので、変更届で番号は変わらないことが多い)、法人名(商号)を変更した、主として取り扱う品目を変更した(変更届を出したうえで、プレートも新しい品目に)。氏名や名称の変更は、変更届(14日以内)と合わせて作り直す
プレートの記載事項(品目、許可番号、名称)が変わったら、作り直します。
法人の商号を変えた場合は、公安委員会への変更届(14日以内)と合わせて、新しい商号のプレートを掲示します。
主として取り扱う品目を変えた場合も、変更届を出して、プレートの品目名を変えます。
ネット表示の更新:商号や許可番号が変わったら、ホームページやフリマのプロフィールの表示も同時に更新。古い番号の表示は虚偽の表示になりうる
ネットの表示も、プレートと同時に更新します。
古い商号や番号を表示したままにすると、虚偽の表示として扱われる恐れがあります。
古物商の標識と表示のチェックリスト
| 項目 | 内容 | 確認 |
|---|---|---|
| 大きさ | 縦8cm以上×横16cm以上 | □ |
| 色 | 紺色の地に白色の文字 | □ |
| 材質 | 金属・プラスチックなど容易に変更できないもの(紙は不可) | □ |
| 品目名 | 主として取り扱う品目を「○○商」(13区分から1つ) | □ |
| 許可証の番号 | 「第○○○○○○○○○○○○号」(12桁) | □ |
| 氏名または名称 | 個人は本名、法人は登記の商号(略さない) | □ |
| 掲示場所 | 営業所ごとに公衆の見やすい場所(自宅なら玄関・作業部屋の入口) | □ |
| ネット表示 | 氏名または名称、公安委員会の名称、許可証の番号を、トップか取引画面から容易に見られる場所に | □ |
| 作る方法 | 防犯協会・業者・自作(2,000〜5,000円) | □ |
| 変更時 | 品目・番号・名称が変わったら作り直し、ネット表示も更新 | □ |
ユイ古物商の許可証が届きました。すぐに古着を売り始めていいですか?
ケイ営業所に標識(プレート)を掲示してから。縦8cm×横16cm以上、紺地に白文字で、「衣類商」と許可番号と会社名を書いたもの。防犯協会や業者で2,000〜5,000円。ネットで売るなら、ショップの画面にも会社名・公安委員会名・許可番号を表示する。
ユイ自宅が営業所なのですが、どこに掲示すればいいですか?
ケイ玄関の内側か、古着を保管・作業している部屋の入口。警察の立入検査で確認できる場所なら、外から見える必要はない。持ち歩くのは許可証で、プレートは営業所に固定しておく。
よくある質問
古物商の標識の様式は決まっていますか?
決まっています。
縦8cm以上×横16cm以上、紺色の地に白文字、金属やプラスチックの材質で、品目名・許可証の番号・氏名または名称を記載します。
どこに掲示しますか?
営業所ごとに、公衆の見やすい場所です。
自宅が営業所なら玄関の内側や作業部屋の入口で、警察の立入検査で確認できる場所であれば足ります。
ネットで売る場合も何か必要ですか?
必要です。
ホームページやフリマアプリの画面に、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を、容易に見られる場所に表示します。
どこで作れますか?
都道府県の防犯協会や古物商防犯協力会、看板業者、ネットの標識製作業者で、2,000〜5,000円程度です。
様式を満たせば自作もできます。
掲示しないとどうなりますか?
10万円以下の罰金の対象で、立入検査で指摘されると指導や処分を受けます。
会社名を変えたらプレートはどうしますか?
公安委員会への変更届(14日以内)と合わせて、新しい商号のプレートを作り直し、ネットの表示も更新します。
まとめ:次の一手
古物商の標識は、縦8cm×横16cm以上・紺地に白文字・容易に変更できない材質で、品目名・許可証の番号・氏名または名称(法人は登記の商号)を記載し、営業所ごとに公衆の見やすい場所に掲示し、ネット販売では画面に氏名または名称・公安委員会名・許可番号を表示します。
防犯協会や業者で2,000〜5,000円で作れ、自作も可で、未掲示は10万円以下の罰金、品目・番号・名称が変わったら作り直してネット表示も更新します。
次の一手は、許可証の番号と登記の商号を確認して、防犯協会か業者にプレートを注文し、届くまでにネットショップやフリマのプロフィールに「○○公安委員会 第○○号 合同会社○○」の表示を入れることです。
古物台帳の書き方は、あわせて読みたい記事で確認してください。
