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税金・申告 | 公開 2026.10.15

法定調書合計表の書き方|役員1人の会社が記入する欄だけを解説。提出期限・出さなくていい人・訂正の方法

法定調書合計表の書き方|役員1人の会社が記入する欄だけを解説。提出期限・出さなくていい人・訂正の方法

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1月になると、税務署から「法定調書合計表」の用紙が届きます。

欄がたくさんあって、どこを書けばよいのか分かりにくい書類ですが、役員ひとりの会社が書く欄は、実はごくわずかです。

この記事では、法定調書合計表の書き方を、ひとり会社が実際に記入する欄にしぼって説明します。

あわせて、提出期限、出さなくていい人、訂正の方法、そして令和9年1月から変わる点をまとめます。

根拠は国税庁の「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(第8)とタックスアンサー(No.7400・7411)で、2026年10月15日時点の内容を確認しています。

筆者はひとり会社の代表として、毎年この合計表を自分で作って提出しています。

記事のポイント
  • 法定調書合計表は、源泉徴収票などの法定調書を税務署に出すときの「表紙」。役員1人の会社は、主に「1 給与所得の源泉徴収票合計表」の欄だけ書けばよい
  • Ⓐ欄は全員分の合計、Ⓑ欄は税務署に源泉徴収票を提出する人だけの合計。この2段を混同しない
  • 提出期限は翌年1月31日。令和9年1月以後に出す令和8年分からは、市区町村に給与支払報告書を出せば源泉徴収票は「みなし提出」になるが、合計表は引き続き提出する

法定調書合計表とは:法定調書の「表紙」

法定調書合計表の位置づけを、6種類の法定調書の表紙・源泉徴収票と一緒に提出・ひとり会社が書く欄は1つの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 法定調書と合計表の関係
  • ひとり会社が関係する欄
  • 提出期限と提出先

法定調書と合計表の関係

法定調書とは、「誰に、いくら払ったか」を税務署に知らせる書類の総称です。

給与の源泉徴収票、退職金の源泉徴収票、税理士などへの報酬の支払調書、家賃の支払調書などがあります。

法定調書合計表は、これらをまとめて税務署に出すときの「表紙」にあたる1枚です。

正式名称は「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」といい、6つの調書の合計を1枚に書きます。

ひとり会社が関係する欄

合計表には「1 給与所得の源泉徴収票合計表」から「6 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書合計表」まで、6つの区分があります。

役員ひとりで、従業員も外注先もいない会社が書くのは、原則として「1」だけです。

税理士に報酬を払っていれば「3 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」も書きます。

個人の大家さんから事務所を借りて年15万円を超える家賃を払っていれば「4 不動産の使用料等の支払調書合計表」も対象です。

関係ない区分は、空欄のままで構いません。

提出期限と提出先

提出期限は、給与などを支払った年の翌年1月31日です。

令和7年分は、1月31日が土曜日のため、令和8年2月2日(月)が期限と手引に書かれています。

提出先は、会社の所在地を管轄する税務署です。

紙で出す場合は、合計表と、提出が必要な源泉徴収票や支払調書を一緒に出します。

「1 給与所得の源泉徴収票合計表」の書き方

法定調書合計表の1給与所得の欄の書き方を、Ⓐ総額は全員分・源泉徴収税額のない者の人数・Ⓑ提出するものは対象者だけの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • Ⓐ欄:俸給・給与・賞与等の総額(全員分)
  • 「左のうち、源泉徴収税額のない者」欄
  • Ⓑ欄:源泉徴収票を提出するもの

Ⓐ欄:俸給・給与・賞与等の総額(全員分)

Ⓐ欄には、税務署に源泉徴収票を出すかどうかに関係なく、その年に給与を払った全員の合計を書きます。

年の途中で退職した人も含めます。

「人員」は実人数です。役員ひとりなら「1」です。

手引には、納付書(所得税徴収高計算書)に書いた人員を累計して書かないように、という注意があります。毎月1人に払っていても、人員は12ではなく1です。

「支払金額」は年間の給与総額、「源泉徴収税額」は年末調整後の所得税(復興特別所得税を含む)の年税額です。

年の途中で入社した人が前の会社から受けた給与は、Ⓐ欄には含めません。

「左のうち、源泉徴収税額のない者」欄

Ⓐ欄の下に、「左のうち、源泉徴収税額のない者」という欄があります。

源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の人の人数を書きます。

役員報酬が少なく、年末調整の結果、所得税がゼロになった場合は、ここに「1」と書きます。

手引で「記載漏れが多い」と注意されている欄なので、税額が0円のときは忘れずに書きます。

年末調整で還付した額が、その年に徴収した額を上回ったときは、源泉徴収税額の欄は「0」と書きます。

Ⓑ欄:源泉徴収票を提出するもの

Ⓑ欄には、税務署に源泉徴収票を提出する人だけの人員・支払金額・源泉徴収税額の合計を書きます。

タックスアンサー(No.7411)によると、令和8年12月31日以前に提出するものは、年末調整をした役員で年間150万円を超える人、従業員で500万円を超える人などが提出の対象です。

役員報酬が年150万円以下なら、Ⓑ欄は0人のままで、源泉徴収票の提出も不要です。

Ⓐ欄と違い、Ⓑ欄には年の途中で入社した人の前職分の給与も含めます。

令和9年1月1日以後に提出する分からは、提出範囲が「年の途中で退職した支払金額30万円以下の人を除く全員」に変わります。

その他の欄と、提出前の確認

法定調書合計表のその他の欄を、提出者情報と提出区分・提出媒体のコード・報酬や家賃の支払調書の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 提出者の情報と「調書の提出区分」
  • 「提出媒体」欄のコード
  • 税理士報酬や家賃を払っている場合

提出者の情報と「調書の提出区分」

用紙の上部には、会社の住所、名称、法人番号、代表者の氏名、電話番号を書きます。

税務署に提出する用紙には法人番号を書きますが、控えには法人番号やマイナンバーを書かないように、手引に注意があります。

「調書の提出区分」は、新規に出すなら「1」、追加なら「2」、訂正なら「3」、無効なら「4」です。

初めてその年分を出すときは「1」です。

「提出媒体」欄のコード

「提出媒体」欄には、法定調書の種類ごとに2桁のコードを書きます。

電子(e-Tax)なら「14」、書面なら「30」です。

手引によると、CDは「17」、DVDは「18」、その他は「99」です。

e-Taxで送る場合は、画面で選ぶので、コードを覚える必要はありません。

税理士報酬や家賃を払っている場合

税理士や司法書士に報酬を払った場合は、「3 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」に書きます。

Ⓐ欄は支払った全員分の人員と金額、Ⓑ欄は支払調書を提出する人(税理士などは年5万円超)の分を書きます。

個人の大家さんに事務所の家賃を払い、年15万円を超える場合は「4 不動産の使用料等の支払調書合計表」に書きます。

法人の大家さんや、自宅の一部を会社の事務所にしている場合は、通常は対象外です。

税務署に出す法定調書が1枚もない場合は、「摘要」欄に「該当なし」と書いて、合計表だけを出します。

出さなくていい人・訂正の方法・令和9年からの変更

法定調書合計表の提出判断を、提出が不要になる場合・訂正は提出区分3で出し直す・令和9年1月からは源泉徴収票がみなし提出の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 合計表を出さなくていい人はいるか
  • 訂正の方法
  • 令和9年1月からの「みなし提出」

合計表を出さなくていい人はいるか

給与を1円も払っていない会社(役員報酬ゼロで従業員もいない)は、法定調書そのものがないので、合計表の提出義務はありません。

ただし、税務署から用紙が届いている場合は、「該当なし」と書いて返送しておくと、問い合わせを避けられます。

役員報酬を払っている会社は、たとえ年150万円以下で源泉徴収票の提出が不要でも、Ⓐ欄に全員分を書いた合計表は提出します。

「源泉徴収票を出さなくていい」と「合計表を出さなくていい」は別の話です。ここを混同する人が多いので注意してください。

訂正の方法

提出したあとに間違いに気づいたら、訂正分を出し直します。

合計表の「調書の提出区分」を「3」(訂正)にして、正しい内容の調書と一緒に出します。

e-Taxで出した場合も、訂正分を送信できます。

間違えた源泉徴収票を無効にする場合は、区分「4」(無効)で出します。

訂正の詳しい手順は、手引の「調書の提出区分」の説明にあります。

令和9年1月からの「みなし提出」

令和9年1月1日以後に提出する令和8年分以後の給与支払報告書を市区町村に出すと、税務署に源泉徴収票を提出したものとみなされます。

この「みなし提出の特例」により、源泉徴収票を税務署に別途出す必要はなくなります。

ただし、法定調書合計表は引き続き提出が必要です。

つまり令和8年分からは、「合計表だけを税務署に出し、源泉徴収票は市区町村への給与支払報告書で済ませる」という流れになります。

給与支払報告書の書き方は、別の記事で詳しく説明しています。

ひとり会社の記入例(役員報酬が年240万円の場合)

欄 記入内容 理由
Ⓐ 俸給・給与・賞与等の総額:人員 1 役員1人
Ⓐ 支払金額 2,400,000 年間の役員報酬
Ⓐ 源泉徴収税額 年末調整後の年税額 0円なら「0」
左のうち、源泉徴収税額のない者 税額0円なら「1」 記載漏れが多い欄
Ⓑ 源泉徴収票を提出するもの 1人・2,400,000・税額(令和8年12月31日以前の提出分) 役員で150万円超のため提出対象
2〜6の区分 空欄(税理士報酬・家賃があれば記入) 該当なし
提出媒体 14(e-Tax)または30(書面) 出し方で選ぶ
調書の提出区分 1(新規) 初めて出す年分
ユイユイ

用紙が届いたんですが、欄が多すぎて固まりました。全部書くんですか?

ケイケイ

書くのは「1 給与所得」のところだけでいい。Ⓐに自分の年間の報酬と税額、税額が0ならその人数を1と書く。残りは空欄で大丈夫。

ユイユイ

私の報酬は年120万円です。源泉徴収票は出さなくていいと聞きました。

ケイケイ

令和8年12月までに出す分なら、役員150万円以下は源泉徴収票の提出は不要。でも合計表は出す。Ⓐ欄に書いて、Ⓑ欄は0人のままで提出するんだ。

よくある質問

法定調書合計表は、いつまでに出しますか?

給与などを支払った年の翌年1月31日までです。

土日にあたる年は次の平日が期限で、令和7年分は令和8年2月2日です。

法定調書合計表を出さなくていい人はいますか?

給与も報酬も家賃も一切払っていない会社は、法定調書がないため提出義務はありません。

役員報酬を払っている会社は、源泉徴収票の提出が不要な場合でも、合計表は提出します。

合計表を出し忘れたら、どうなりますか?

税務署から提出を求める連絡が来ることがあります。

気づいた時点で、速やかに提出します。法定調書の不提出には罰則の規定もあるため、放置しないでください。

訂正はどうやって出しますか?

「調書の提出区分」を「3」(訂正)にした合計表を、正しい調書と一緒に出し直します。

e-Taxでも訂正分を送信できます。

e-Taxで出すには、何が必要ですか?

e-Taxの利用者識別番号と、電子署名のためのマイナンバーカードまたは商業登記電子証明書です。

会計ソフトの中には、年末調整のデータから合計表と源泉徴収票を作って、そのままe-Taxに送信できるものもあります。

令和9年1月から、何が変わりますか?

市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署に源泉徴収票を出したものとみなされます(みなし提出の特例)。

合計表は引き続き提出が必要です。源泉徴収票の提出範囲も、年の途中で退職した30万円以下の人を除く全員に広がります。

まとめ:次の一手

法定調書合計表は、源泉徴収票などの法定調書を税務署に出すときの表紙です。

役員ひとりの会社が書くのは、主に「1 給与所得の源泉徴収票合計表」で、Ⓐ欄に全員分、Ⓑ欄に源泉徴収票を提出する人の分、税額0円の人数を忘れずに書きます。

提出期限は翌年1月31日で、令和9年1月以後に出す令和8年分からは、源泉徴収票は給与支払報告書のみなし提出で済み、合計表だけを税務署に出す形になります。

次の一手は、年末調整を終えたら、源泉徴収票の「支払金額」と「源泉徴収税額」をⒶ欄に書き写し、税額が0円なら「源泉徴収税額のない者」に1と書くことです。

市区町村に出す給与支払報告書の書き方は、あわせて読みたい記事で確認してください。