合同会社の設立で、最後に作るのが「設立登記申請書」です。
法務局が記載例を公開しているので、それをなぞれば作れますが、「登記すべき事項に何を書くか」「登録免許税の印紙はどう貼るか」で手が止まりがちです。
この記事では、合同会社設立登記申請書の書き方を、欄ごとに記載例つきで説明し、登記すべき事項の書き方、登録免許税と収入印紙、提出先、オンライン申請、補正までまとめます。
根拠は法務局の「合同会社設立登記申請書(代表社員が法人でない場合)」の記載例と、法務省の合同会社の設立手続の案内で、2026年10月16日時点の内容を確認しています。
筆者は自分の会社の設立登記申請書を自分で作り、法務局に提出しました。
- 設立登記申請書は、法務局の記載例(合同会社設立登記申請書)の様式に、商号・本店・登記の事由・登記すべき事項・課税標準金額・登録免許税・添付書類・申請日・申請人を書く1枚
- 「登記すべき事項」は、商号・本店・公告方法・目的・資本金の額・社員に関する事項(業務執行社員、代表社員の氏名住所)・登記記録に関する事項(設立)を、別紙かオンラインのデータで出す
- 登録免許税は資本金×0.7%と6万円の高いほうで、ひとり会社はほぼ6万円。収入印紙を印紙台紙に貼って申請書にとじる(消印はしない)
申請書の上段:商号・本店・登記の事由
- 商号(フリガナも書く)
- 本店(番地まで)
- 登記の事由:「設立の手続終了」
商号(フリガナも書く)
申請書の最初に「フリガナ」と「商号」を書きます。
商号は定款のとおり「合同会社○○」で、フリガナは「合同会社」の部分を除いた商号の読みをカタカナで書きます(法務局の記載例では「○○ショウテン」のように、商号のカタカナ部分のみ)。
フリガナは、登記簿には載りませんが、国税庁の法人番号公表サイトに表示されます。
本店(番地まで)
本店は、定款で市区町村まで定めていても、申請書と登記すべき事項には番地(ビル名・部屋番号まで)を書きます。
定款に番地まで書いていない場合は、決定書で本店の所在場所を決めた内容と一致させます。
登記の事由:「設立の手続終了」
登記の事由には「設立の手続終了」と書きます。
設立の手続が終わった日(資本金の払込みが済み、定款などが整った日)を書く欄がある様式もあります。記載例に沿って書きます。
「登記すべき事項」の書き方と記載例
- 書く項目:商号・本店・公告方法・目的・資本金・社員・登記記録
- 記載例(ひとり合同会社)
- 別紙・オンライン(QRコード付き書面申請)での出し方
書く項目:商号・本店・公告方法・目的・資本金・社員・登記記録
登記すべき事項は、登記簿に記録される内容そのものです。
合同会社の設立では、商号、本店、公告をする方法、目的、資本金の額、社員に関する事項、登記記録に関する事項を書きます。
目的は、定款の目的を一字一句そのまま書きます。
記載例(ひとり合同会社)
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 「商号」 | 合同会社○○ |
| 「本店」 | 東京都○○区○○一丁目2番3号 |
| 「公告をする方法」 | 官報に掲載してする |
| 「目的」 | 1 Webサイトの企画、制作及び保守 2 ○○ 3 前各号に附帯関連する一切の事業 |
| 「資本金の額」 | 金100万円 |
| 「社員に関する事項」 | 「資格」業務執行社員 「氏名」○○ / 「資格」代表社員 「住所」東京都○○区○○ 「氏名」○○ |
| 「登記記録に関する事項」 | 設立 |
業務執行社員は氏名のみ、代表社員は住所と氏名を書きます。ひとり会社では同じ人を、業務執行社員と代表社員の両方で書きます。
別紙・オンライン(QRコード付き書面申請)での出し方
登記すべき事項は、申請書の欄に直接書かず、「別紙のとおり」として別紙を付けるか、法務局の「QRコード(二次元バーコード)付き書面申請」の仕組みで、オンラインで入力したデータを添えて出します。
オンラインで登記すべき事項を入力して印刷すると、法務局側の入力作業が減り、記載ミスも減るため、法務局はこの方法を案内しています。
課税標準金額・登録免許税・添付書類の欄
- 課税標準金額:資本金の額
- 登録免許税:資本金×0.7%と6万円の高いほう
- 添付書類の一覧と通数
課税標準金額:資本金の額
「課税標準金額」には、資本金の額を書きます(例:金100万円)。
登録免許税の計算のもとになる金額です。
登録免許税:資本金×0.7%と6万円の高いほう
登録免許税は、資本金の額の1,000分の7で、6万円に満たない場合は6万円です(法務省の案内)。
資本金857万円以下なら6万円なので、ひとり会社はほぼ「金6万円」と書きます。
収入印紙を、申請書に添える「印紙台紙」(A4の白紙でよい)に貼り、申請書と一緒にとじます。印紙に消印はしません(法務局が消します)。
添付書類の一覧と通数
「添付書類」の欄に、出す書類の名前と通数を書きます。
記載例に沿うと、定款 1通、代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面 1通(定款に定めがあれば省略)、代表社員の就任承諾書 1通、払込みを証する書面 1通、委任状(代理申請の場合)です。
印鑑届書は添付書類ではなく、申請書と一緒に出す別の書類として扱います。
申請日・申請人・提出と、補正
- 申請日・申請人(会社の商号と本店)・代表社員の住所氏名・連絡先
- 提出先:本店所在地を管轄する法務局(窓口・郵送・オンライン)
- 不備があったとき:補正と、設立日の扱い
申請日・申請人(会社の商号と本店)・代表社員の住所氏名・連絡先
申請日は、法務局に出す日(郵送なら到達する日を想定した日付でもよいが、通常は作成日)を書きます。
申請人として会社の商号と本店を書き、その下に代表社員の住所と氏名を書いて、会社の実印(法務局に届け出る印)を押します。
連絡先の電話番号は、法務局から補正の連絡が来るので、日中つながる番号を書きます。
宛先は「○○法務局 御中」(本店所在地を管轄する法務局・支局・出張所)です。
提出先:本店所在地を管轄する法務局(窓口・郵送・オンライン)
管轄の法務局は、法務局のサイトの「管轄のご案内」で確認します。
窓口に持参するか、書留で郵送するか、登記・供託オンライン申請システムからオンラインで申請します。
申請書、印紙台紙、添付書類、印鑑届書の順にそろえ、申請書と印紙台紙の間など、ページのつなぎ目に会社の実印で契印(割印)をします。
不備があったとき:補正と、設立日の扱い
書類に不備があると、法務局から電話で連絡が来て、窓口で直す(補正する)か、訂正した書類を出し直します。
補正をしても、設立日(登記の申請日)は変わりません。
不備の多くは、住所や氏名の表記が印鑑証明書と違う、押印の漏れ、登記すべき事項と定款の不一致です。提出前に照合します。
合同会社設立登記申請書の欄と記入内容の一覧
| 欄 | 記入内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| フリガナ・商号 | 合同会社○○(フリガナは商号の読み) | 定款と一字一句同じ |
| 本店 | 番地・ビル名・部屋番号まで | 決定書・登記すべき事項と一致 |
| 登記の事由 | 設立の手続終了 | 記載例のとおり |
| 登記すべき事項 | 別紙またはオンラインのデータ | 目的は定款と同じ文言 |
| 課税標準金額 | 資本金の額 | 定款・払込証明書と一致 |
| 登録免許税 | 金6万円(資本金857万円以下) | 印紙台紙に貼る。消印しない |
| 添付書類 | 定款・決定書・就任承諾書・払込証明書(・委任状) | 通数を書く。印鑑届書は別扱い |
| 申請日 | 提出する日 | 申請日が設立日 |
| 申請人・代表社員 | 会社の商号・本店、代表社員の住所氏名、会社の実印 | 住所は印鑑証明書と同じ表記 |
| 連絡先 | 日中つながる電話番号 | 補正の連絡用 |
| 宛先 | 管轄の法務局 | 法務局サイトで確認 |
ユイ「登記すべき事項」って、何を書けばいいんですか?
ケイ登記簿に載る内容そのもの。商号、本店、公告方法、目的、資本金、社員(業務執行社員と代表社員)、「設立」。目的は定款と同じ文言で。法務局のオンライン入力を使うと間違いが減る。
ユイ印紙はどこに貼りますか?
ケイA4の白紙を「印紙台紙」にして、そこに6万円分を貼って申請書にとじる。消印はしない。法務局が押す。
よくある質問
設立登記申請書の様式は、どこで手に入りますか?
法務局のサイトの「商業・法人登記の申請書様式」から、合同会社設立登記申請書の記載例(Word・PDF)を取得できます。
登記すべき事項は、申請書に直接書きますか?
別紙を付けるか、法務局のオンライン入力(QRコード付き書面申請)のデータを添えるのが一般的です。
登録免許税はいくらですか?
資本金の額の0.7%で、6万円に満たない場合は6万円です。
資本金857万円以下なら6万円です。
収入印紙はどこで買いますか?
郵便局や法務局内の印紙売りさばき所で買えます。
印紙台紙に貼り、消印はしません。
申請日と設立日は同じですか?
同じです。
法務局が申請を受け付けた日が設立日で、補正があっても変わりません。
不備があったら、どうなりますか?
法務局から連絡が来て、補正をします。
住所の表記、押印、登記すべき事項と定款の一致を、提出前に確認します。
まとめ:次の一手
合同会社設立登記申請書は、法務局の記載例の様式に、商号・本店・登記の事由・登記すべき事項・課税標準金額・登録免許税(6万円)・添付書類・申請日・申請人を書く1枚で、登記すべき事項は別紙かオンラインのデータで出します。
収入印紙は印紙台紙に貼って消印せず、本店所在地の管轄法務局に、窓口・郵送・オンラインのいずれかで提出します。
次の一手は、法務局のサイトから記載例をダウンロードし、定款を横に置いて、商号・本店・目的・資本金・社員を一字一句同じに書き写すことです。
必要書類の全体は、合同会社設立の必要書類チェックリストの記事で確認してください。
