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設立・開業 | 公開 2026.10.15

合同会社の定款のひな形と書き方|ひとりで設立する場合の条文を全部解説。絶対的記載事項・代表社員・事業年度・電子定款

合同会社の定款のひな形と書き方|ひとりで設立する場合の条文を全部解説。絶対的記載事項・代表社員・事業年度・電子定款

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合同会社を自分で設立するとき、最初に作る書類が「定款」です。

会社の基本ルールを書いたもので、株式会社と違って公証役場の認証が要らないため、自分で作ってそのまま登記に使えます。

ただ、「何を書けば足りるのか」「ひな形のどこを自分用に変えるのか」が分かりにくい書類でもあります。

この記事では、ひとりで合同会社を設立する場合の定款のひな形を、条文ごとに解説します。

根拠は会社法(第576条、第577条など)と法務局の登記案内で、2026年10月15日時点の内容を確認しています。

筆者は自分の会社の定款を自分で作り、登記まで行いました。

記事のポイント
  • 合同会社の定款は、公証役場の認証が不要。会社法で決まった6つの絶対的記載事項を押さえれば、ひとりで作れる
  • ひとり合同会社なら、社員1人・業務執行社員兼代表社員・出資は金銭・事業年度は1年、という最小構成で足りる
  • 紙の定款には収入印紙4万円が要るが、電子定款(PDFに電子署名)なら不要。設立費用を抑える一番の分かれ目

定款の基本:絶対的記載事項と、認証が要らない理由

合同会社の定款の基本を、絶対的記載事項は6つ・公証役場の認証は不要・電子定款なら印紙代不要の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 必ず書く6つの事項(絶対的記載事項)
  • 合同会社の定款は認証が不要
  • 紙なら印紙4万円、電子定款なら不要

必ず書く6つの事項(絶対的記載事項)

会社法第576条で、合同会社の定款に必ず書く事項が決まっています。

目的、商号、本店の所在地、社員の氏名(名称)と住所、社員の全部を有限責任社員とする旨、社員の出資の目的とその価額(評価の標準)の6つです。

このどれかが欠けていると、定款として成り立ちません。

合同会社の定款は認証が不要

株式会社の定款は、公証役場で公証人の認証を受けないと効力がありません(認証手数料は資本金の額に応じて1万5,000円から5万円)。

合同会社の定款には、この認証が要りません。

作った定款をそのまま設立登記の添付書類にできるので、費用と手間が大きく減ります。

紙なら印紙4万円、電子定款なら不要

紙で作った定款には、印紙税法により収入印紙4万円を貼る必要があります。

PDFで作って電子署名をした「電子定款」なら、印紙税の対象外になり、4万円が不要です。

電子署名には、マイナンバーカードと、ICカードリーダー(またはスマートフォン)、そして電子署名ができるソフトが要ります。

自分で用意するのが面倒なら、会社設立サービスが電子定款の作成を無料または数千円で代行しています。

ひとり合同会社の定款ひな形(条文ごとの解説)

合同会社の定款のひな形を、第1章総則(商号・目的・本店・公告)・第2章社員と出資・第3章業務執行と代表の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 第1章 総則:商号・目的・本店・公告方法
  • 第2章 社員及び出資:社員・出資・責任
  • 第3章 業務の執行及び会社の代表

第1章 総則:商号・目的・本店・公告方法

第1条(商号)は、「当会社は、合同会社○○と称する。」です。「合同会社」を前か後ろに必ず入れます。

第2条(目的)は、事業の内容を列挙します。「1. Webサイトの企画・制作・保守 2. ○○ 3. 前各号に附帯関連する一切の事業」のように書きます。将来やる可能性のある事業も入れておくと、変更登記の手間が省けます。許認可が必要な事業は、許可の要件に合う文言にします。

第3条(本店の所在地)は、「当会社は、本店を東京都○○区に置く。」のように、最小行政区画(市区町村)まで書くのが一般的です。番地まで書くと、同じ区内で引っ越したときにも定款変更が必要になります。

第4条(公告方法)は、「当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。」が最もシンプルです。

第2章 社員及び出資:社員・出資・責任

第5条(社員の氏名・住所・出資・責任)は、「当会社の社員の氏名及び住所、出資の目的及びその価額並びに責任は、次のとおりである。」として、「金○○万円 東京都○○区○○ 氏名 有限責任社員」と書きます。

ひとり合同会社なら社員は1人、出資の目的は「金銭」、価額は資本金にする額です。

「社員の全部を有限責任社員とする」旨が、この条文で満たされます。

第6条(出資の履行・持分の譲渡)などは任意ですが、「社員は、他の社員全員の承諾がなければ持分を譲渡できない」といった標準的な条文を入れておきます。

第3章 業務の執行及び会社の代表

第7条(業務執行社員)は、「当会社の業務は、業務執行社員が執行する。業務執行社員は、○○(氏名)とする。」です。

第8条(代表社員)は、「当会社の代表社員は、業務執行社員○○(氏名)とする。」です。

ひとり合同会社では、社員=業務執行社員=代表社員が同じ人なので、この2条で代表者が決まります。

登記上の肩書は「代表社員」になり、株式会社の「代表取締役」にあたります。

第9条(報酬)として、「業務執行社員の報酬は、社員の同意により定める。」と入れておくと、役員報酬を決める根拠になります。

事業年度・計算・解散などの定め方

合同会社の定款のその他の条文を、事業年度は1年以内で自由に・利益の配当と損益分配・解散事由と附則の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 第4章 計算:事業年度・利益の配当
  • 第5章 解散:解散事由
  • 附則:最初の事業年度・設立時の資本金

第4章 計算:事業年度・利益の配当

事業年度は、「当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。」のように、1年以内で自由に決めます。

設立月の前月を決算月にすると、1期目が最も長くなり、消費税の免税期間を長く使えます。

利益の配当については、「社員は、当会社に対し、利益の配当を請求することができる。」など、標準的な条文で足ります。

第5章 解散:解散事由

「当会社は、次の事由により解散する。1. 総社員の同意 2. 社員が欠けたこと 3. その他法令で定める事由」といった条文を入れます。

ひとり合同会社では、社員が1人なので「社員が欠けたこと」が相続などで問題になります。相続人が持分を承継できる旨の条文(「社員が死亡した場合、その相続人は持分を承継して社員となることができる」)を入れておくと、会社が自動的に解散する事態を避けられます。

附則:最初の事業年度・設立時の資本金

附則には、「当会社の最初の事業年度は、設立の日から令和○年3月31日までとする。」と、「当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金○○万円とする。」「当会社の資本金の額は、金○○万円とする。」を書きます。

最後に作成日と、社員の氏名を書いて記名押印(電子定款なら電子署名)します。

電子定款の作り方と、よくある書き間違い

合同会社の電子定款の作り方と注意点を、PDFに電子署名する・設立サービスの代行・よくある書き間違いの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 電子定款の作り方(自分でやる場合)
  • 会社設立サービスに任せる場合
  • よくある書き間違い

電子定款の作り方(自分でやる場合)

定款をワープロソフトで作り、PDFに変換します。

マイナンバーカードの署名用電子証明書で、PDFに電子署名をします。Adobe Acrobatの有料版や、法務省の「PDF署名プラグイン」を使う方法があります。

署名したPDFを、登記のオンライン申請で添付するか、CD-Rなどに保存して法務局に提出します。

自分で用意する場合、ソフトの費用がかかることがあるので、印紙代4万円との差額で判断します。

会社設立サービスに任せる場合

会社設立サービス(会計ソフト会社が提供しているものが多い)を使うと、画面の質問に答えるだけで定款が作られ、電子署名まで代行してもらえます。

費用は無料から数千円で、あわせて会計ソフトの契約を求められることがあります。

定款の内容を自分で理解したうえで、作業だけを任せるのが、いちばん失敗が少ない使い方です。

よくある書き間違い

商号の「合同会社」を抜かす。「株式会社」と書いてしまう。

目的の末尾に「前各号に附帯関連する一切の事業」を入れ忘れる。

本店所在地を番地まで書いて、引っ越しのたびに定款変更が必要になる。

社員の住所が住民票(印鑑証明書)と一致していない。

最初の事業年度の末日と、事業年度の定めが矛盾している。

登記申請の前に、定款と登記申請書の内容(商号、本店、目的、資本金、代表社員)が一字一句一致しているかを確認します。

ひとり合同会社の定款の構成(ひな形の目次)

章 条文 ひとり会社での書き方
第1章 総則 商号・目的・本店所在地・公告方法 「合同会社○○」、目的は将来分も、本店は市区町村まで、公告は官報
第2章 社員及び出資 社員の氏名住所・出資・責任、持分の譲渡 社員1人、金銭出資、有限責任社員
第3章 業務執行・代表 業務執行社員・代表社員・報酬 本人が業務執行社員兼代表社員
第4章 計算 事業年度・利益の配当 1年以内で自由に設定
第5章 解散 解散事由・相続人の承継 相続人が持分を承継できる旨を入れる
附則 最初の事業年度・設立時の資本金・作成日・署名 設立日から最初の決算日まで、資本金の額
ユイユイ

定款って、自分で書いていいんですか? 専門家に頼まないと無効になりそうで。

ケイケイ

合同会社は公証役場の認証も要らないから、自分で作ってそのまま登記に使える。会社法の6つの必須事項が入っていれば成り立つよ。

ユイユイ

紙で作ると印紙4万円がかかるんですよね。

ケイケイ

そう。PDFに電子署名した電子定款なら不要。自分でやるならマイナンバーカードとソフト、面倒なら設立サービスに作成だけ任せる手もある。

よくある質問

合同会社の定款に、必ず書くことは何ですか?

目的、商号、本店の所在地、社員の氏名と住所、社員全員が有限責任社員である旨、社員の出資の目的と価額の6つです(会社法第576条)。

合同会社の定款は、公証役場で認証が必要ですか?

不要です。

認証が必要なのは株式会社の定款で、合同会社は作成した定款をそのまま登記に使えます。

電子定款にすると、何が違いますか?

紙の定款に必要な収入印紙4万円が不要になります。

PDFに電子署名をするために、マイナンバーカードと対応ソフトが要ります。

ひとりで設立する場合、代表社員はどう決めますか?

定款で「業務執行社員は○○とする」「代表社員は業務執行社員○○とする」と定めます。

社員が1人なら、その人が業務執行社員兼代表社員です。

本店の所在地は、番地まで書きますか?

市区町村まで書くのが一般的です。

番地まで書くと、同じ市区町村内での移転でも定款変更が必要になります。

事業年度は、どう決めればよいですか?

1年以内で自由に決められます。

設立月の前月を決算月にすると、1期目が長くなり、消費税の免税期間を長く使えます。

まとめ:次の一手

合同会社の定款は、会社法の6つの絶対的記載事項(目的・商号・本店・社員・有限責任・出資)を押さえれば、認証なしで自分で作れます。

ひとり会社なら、社員1人・業務執行社員兼代表社員・金銭出資・1年の事業年度という最小構成で足り、電子定款にすれば印紙代4万円が不要です。

次の一手は、商号・目的・本店・資本金・事業年度の5つを決めて、上の目次の順に条文を書き起こすことです。

できあがった定款を使った設立登記の流れは、合同会社を自分で設立する記事で確認してください。