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税金・申告 | 公開 2026.10.16

源泉所得税の納期の特例の取りやめ届出書|出すのはいつ?従業員が10人以上になったとき・毎月納付に戻したいとき。書き方、提出後の納付の切り替え時期、出し忘れの扱い

源泉所得税の納期の特例の取りやめ届出書|出すのはいつ?従業員が10人以上になったとき・毎月納付に戻したいとき。書き方、提出後の納付の切り替え時期、出し忘れの扱い

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源泉所得税の納期の特例(年2回納付)は、給与の支給人員が常時10人未満の会社だけが使える制度です。

人を増やして10人以上になったときや、毎月納付に戻したいときに出すのが、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」、通称「取りやめ届出書」です。

この記事では、取りやめ届出書を出す場面、書き方、提出後の納付の切り替え時期、出し忘れの扱い、再び特例に戻す方法を説明します。

根拠は国税庁(源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなった場合の届出、納期の特例の承認、不納付加算税)と所得税法で、2026年10月16日時点の内容を確認しています。

筆者はひとり会社で納期の特例を使っており、要件の変化を毎年確認しています。

記事のポイント
  • 取りやめ届出書を出すのは2つの場面。給与の支給人員が常時10人以上になったとき(要件を満たさなくなるので提出が必要)と、毎月納付に戻したいとき(任意)。ひとり会社が10人を超えることはまれで、任意の取りやめもほとんど必要ない
  • 届出書は、法人名・納税地・取りやめの理由・支給人員・取りやめの年月日を書く1枚。提出した月までの分は特例の期限(7月10日・1月20日)で納め、翌月に支払う給与分から毎月10日納付に切り替わる
  • 10人以上になったのに出し忘れると、本来は毎月納付なので、特例の期限で納めた分が納付遅れとみなされ不納付加算税の対象になりうる。人を増やす予定が見えたら、10人になる前に準備しておく

取りやめ届出書を出す2つの場面

取りやめ届出書を出す場面を、支給人員が常時10人以上になったら提出が必要・毎月納付に戻したいときは任意・ひとり会社ではほとんど不要の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 場面1:給与の支給人員が常時10人以上になった(要件を満たさなくなった)→提出が必要
  • 場面2:資金繰りの都合などで、毎月納付に戻したい→任意
  • ひとり会社の場合:役員1人なら10人には届かず、取りやめはほぼ不要

場面1:給与の支給人員が常時10人以上になった(要件を満たさなくなった)→提出が必要

納期の特例は、「給与の支給人員が常時10人未満」が要件です。

従業員を増やして常時10人以上になると要件を満たさなくなり、そのことを届け出る義務があります。

「常時」なので、繁忙期だけ一時的に10人を超える場合は該当せず、平常時の人数で判断します。役員も人数に含みます。

場面2:資金繰りの都合などで、毎月納付に戻したい→任意

特例を使うと、半年分の源泉所得税をまとめて納めるので、一度に払う額が大きくなります。

毎月少しずつ納めたい場合は、要件を満たしていても、任意で取りやめの届出を出して毎月納付に戻せます。

ひとり会社の場合:役員1人なら10人には届かず、取りやめはほぼ不要

ひとり会社や家族だけの会社では、支給人員が10人以上になることはまれで、取りやめ届出書を出す場面はほとんどありません。

この記事は、将来人を増やすときの備えと、「毎月納付に戻したい」ときの参考として読んでください。

届出書の書き方と提出先・期限

取りやめ届出書の書き方を、法人名と納税地と代表者・取りやめの理由と支給人員・提出先は税務署で期限はすみやかにの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 記載事項:法人名、納税地、法人番号、代表者名、給与支払事務所の所在地
  • 取りやめの内容:要件に該当しなくなった年月日、その理由(支給人員が10人以上になった等)、現在の支給人員
  • 提出先:給与支払事務所の所轄税務署。期限は「すみやかに」。e-Taxでも提出できる

記載事項:法人名、納税地、法人番号、代表者名、給与支払事務所の所在地

国税庁のサイトにある「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」の様式に、法人名、納税地、法人番号、代表者の氏名、給与支払事務所の所在地と電話番号を書きます。

納期の特例の承認申請書と同じ欄構成なので、承認申請書の控えを見ながら書けます。

取りやめの内容:要件に該当しなくなった年月日、その理由(支給人員が10人以上になった等)、現在の支給人員

「該当しなくなった年月日」には、支給人員が10人以上になった月の初日などを書きます。

理由の欄には「従業員の増加により給与の支給人員が常時10人以上となったため」、任意の取りやめなら「毎月納付に変更するため」と書きます。

現在の支給人員の欄には、役員を含めた人数を書きます。

提出先:給与支払事務所の所轄税務署。期限は「すみやかに」。e-Taxでも提出できる

提出先は、給与支払事務所の所在地を管轄する税務署です。

期限は「要件に該当しなくなった場合にすみやかに」で、具体的な日数の定めはありませんが、該当した月のうちに出します。

e-Taxでも提出でき、控えは受信通知で残ります。

提出後の納付の切り替え時期と納付書

取りやめ後の納付の切り替えを、提出した月までの分は特例の期限で納付・翌月の支払い分から毎月10日納付・納付書は一般用に変わるの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 提出した月までに支払った給与の源泉所得税:特例の期限(7月10日または1月20日)までに納める
  • 提出した月の翌月以降に支払う給与の源泉所得税:支払った月の翌月10日までに毎月納める
  • 納付書:特例用(半年分をまとめて書く様式)から、一般用(1か月分を書く様式)に変わる

提出した月までに支払った給与の源泉所得税:特例の期限(7月10日または1月20日)までに納める

取りやめ届出書を出した月までに支払った給与の源泉所得税は、まだ特例が有効なので、その期間の特例の期限で納めます。

たとえば9月に届出を出した場合、7〜9月の支払い分は翌年1月20日が期限です。

実務では、届出と同時に7〜9月分を納めてしまい、以後を毎月納付にすると、混乱が少なくなります。

提出した月の翌月以降に支払う給与の源泉所得税:支払った月の翌月10日までに毎月納める

届出を出した月の翌月に支払う給与から、毎月納付に切り替わります。

9月に届出なら、10月に支払う給与の源泉所得税は11月10日まで、11月分は12月10日まで、と続きます。

納付書:特例用(半年分をまとめて書く様式)から、一般用(1か月分を書く様式)に変わる

源泉所得税の納付書(所得税徴収高計算書)は、特例用と一般用で様式が違います。

取りやめ後は一般用を使い、「納期等の区分」に支払った年月を1か月分だけ書きます。

e-Taxやダイレクト納付なら、画面で一般用を選べば済みます。

出し忘れの扱いと、再び特例に戻す方法

出し忘れと再適用を、10人以上なのに出し忘れると毎月納付が本来で不納付加算税の可能性・気づいたらすぐ届出と未納分の納付・再び特例にするには承認申請書を再提出の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 出し忘れ:10人以上になった時点で本来は毎月納付。特例の期限で納めた分は遅れとみなされ、不納付加算税(5〜10%)と延滞税の対象になりうる
  • 気づいたら:すぐに届出を出し、本来の期限を過ぎている分は納付する(自主納付なら不納付加算税は5%)
  • 再び特例に戻す:支給人員が10人未満に戻ったら、納期の特例の承認申請書を改めて出す(提出の翌月分から適用)

出し忘れ:10人以上になった時点で本来は毎月納付。特例の期限で納めた分は遅れとみなされ、不納付加算税(5〜10%)と延滞税の対象になりうる

要件を満たさなくなったのに届出を出さず特例の期限で納め続けると、本来は毎月10日が期限だった分が納付遅れになります。

不納付加算税(税務署の指摘前に自主的に納めれば5%、指摘後なら10%)と延滞税がかかる可能性があります。

気づいたら:すぐに届出を出し、本来の期限を過ぎている分は納付する(自主納付なら不納付加算税は5%)

出し忘れに気づいたら、すぐに取りやめ届出書を出し、本来の期限を過ぎている分の源泉所得税を納付します。

税務署の指摘の前に自主的に納めれば、不納付加算税は5%で、納付が期限から1か月以内で一定の要件を満たせば加算税がかからないこともあります。

再び特例に戻す:支給人員が10人未満に戻ったら、納期の特例の承認申請書を改めて出す(提出の翌月分から適用)

従業員が減って常時10人未満に戻ったら、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を改めて出せば、提出の翌月に支払う給与分から特例に戻ります。

取りやめ届出書の提出とは別の様式なので、間違えないようにします。

納期の特例の取りやめと再適用の一覧

項目 内容
取りやめが必要な場合 給与の支給人員が常時10人以上になった(役員を含む)
任意の取りやめ 毎月納付に戻したいとき(要件を満たしていても可)
届出書の名称 源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書
提出先・期限 給与支払事務所の所轄税務署、すみやかに
切り替え時期 提出した月までの分は特例の期限、翌月の支払い分から毎月10日
納付書 特例用→一般用
出し忘れ 本来の期限からの遅れ。不納付加算税5〜10%、延滞税
再適用 納期の特例の承認申請書を再提出。提出の翌月分から
ユイユイ

従業員を増やして10人になりました。何か手続きが要りますか?

ケイケイ

納期の特例の取りやめ届出書を税務署に出す。出した月までの分は特例の期限で納めて、翌月の給与分からは毎月10日納付に変わる。納付書も一般用になるよ。

ユイユイ

ひとり会社でも関係ありますか?

ケイケイ

役員1人なら10人には届かないから、ほぼ関係ない。毎月納付に戻したいときに任意で使えるくらい。人を増やす計画があるなら、10人になる前に覚えておこう。

よくある質問

納期の特例の取りやめ届出書は、いつ出しますか?

給与の支給人員が常時10人以上になったとき(義務)と、毎月納付に戻したいとき(任意)に、すみやかに出します。

届出書には何を書きますか?

法人名、納税地、法人番号、代表者名、給与支払事務所の所在地、要件に該当しなくなった年月日と理由、現在の支給人員です。

提出したあと、いつから毎月納付になりますか?

提出した月の翌月に支払う給与分からです。

提出した月までの分は、特例の期限で納めます。

10人以上になったのに出し忘れました。

本来は毎月納付なので、特例の期限で納めた分が遅れとみなされ、不納付加算税と延滞税の対象になりえます。

すぐに届出を出し、遅れている分を自主的に納付します。

「常時10人」はどう数えますか?

役員を含めた平常時の人数で、繁忙期だけ一時的に増える分は含めません。

また特例に戻せますか?

支給人員が常時10人未満に戻ったら、納期の特例の承認申請書を改めて出せば、提出の翌月分から戻せます。

まとめ:次の一手

納期の特例の取りやめ届出書は、支給人員が常時10人以上になったときに出す義務があり、毎月納付に戻したいときにも任意で使えます。

提出した月までは特例の期限で納め、翌月の支払い分から毎月10日納付と一般用の納付書に切り替わり、出し忘れると不納付加算税の対象になりえます。

次の一手は、役員を含めた支給人員を数え、10人に近づいているなら届出書の様式を国税庁のサイトから準備しておくことです。

納期の特例の承認申請書の書き方は、あわせて読みたい記事で確認してください。