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届出・住所・口座 | 公開 2026.10.15

源泉所得税の納期の特例|申請書の書き方と記入例、いつから適用されるか、年2回の納付書の書き方まで

源泉所得税の納期の特例|申請書の書き方と記入例、いつから適用されるか、年2回の納付書の書き方まで

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役員報酬を払い始めると、報酬から天引きした所得税を、翌月10日までに税務署に納める仕事が毎月発生します。

ひとり会社でこれを毎月やるのは、正直なところ手間です。

そこで使うのが「源泉所得税の納期の特例」です。

申請書を1枚出すだけで、納付が年2回にまとまります。

この記事では、申請書の書き方を記入例つきで説明し、いつから適用されるか、年2回の納付書の書き方、税額が0円のときの扱いまでをまとめます。

根拠は国税庁の案内(源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請)で、2026年10月15日時点の内容を確認しています。

筆者はひとり会社の代表として、設立直後にこの申請書を自分で出し、以来、年2回の納付で運用しています。

記事のポイント
  • 納期の特例を申請すると、役員報酬から天引きした所得税を、毎月ではなく年2回(7月10日と1月20日)にまとめて納められる。給与の支給人員が常時10人未満の会社が対象
  • 申請書は1枚で、書くのは会社の情報と、直近6か月の各月の支給人員と支給額だけ。設立直後なら支給実績は空欄でよい
  • 適用は、申請書を出した月の翌月に支払う給与から。出した月の分は、原則どおり翌月10日までに納める

納期の特例とは:年2回にまとめられる制度

源泉所得税の納期の特例の仕組みを、原則は翌月10日まで・特例は年2回にまとめる・対象は支給人員10人未満の3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 原則:翌月10日までに毎月納める
  • 特例:7月10日と1月20日の年2回
  • 対象:給与の支給人員が常時10人未満

原則:翌月10日までに毎月納める

会社が役員報酬や給与を払うときは、所得税を天引き(源泉徴収)します。

天引きした所得税は、原則として、支払った月の翌月10日までに税務署に納めます。

毎月の報酬が少なく、天引きする税額が数百円でも、納付の手続きは毎月必要です。

ひとり会社で毎月これをやると、忘れたときの延滞税も含めて、負担が大きくなります。

特例:7月10日と1月20日の年2回

納期の特例の承認を受けると、納付が年2回にまとまります。

1月から6月までに支払った分は7月10日まで、7月から12月までに支払った分は翌年1月20日までに納めます。

対象になるのは、給与と退職手当、そして税理士や司法書士などへの報酬・料金にかかる源泉所得税です。

原稿料やデザイン料など、それ以外の報酬の源泉所得税は、特例の対象外で、毎月納めます。

対象:給与の支給人員が常時10人未満

申請できるのは、給与の支給を受ける人が常時10人未満の会社や個人事業主です。

役員ひとりの会社は、当然この条件を満たします。

従業員を雇っていても、9人までなら対象です。

人数が常時10人以上になったら、特例の要件に当てはまらなくなったことの届出書を出し、毎月納付に戻ります。

申請書の書き方と記入例

納期の特例の承認に関する申請書の書き方を、会社の基本情報・直近6か月の支給人員と支給額・設立直後は空欄でよいの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 上段:会社の情報
  • 中段:直近6か月の支給人員と支給額
  • 設立直後の会社の書き方

上段:会社の情報

申請書の正式名称は「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。

国税庁のサイトからPDFを入手できます。

上段には、提出日、提出先の税務署名、会社の住所(給与支払事務所の所在地)、法人番号、会社名、代表者の氏名、電話番号を書きます。

税務署は、会社の所在地を管轄する税務署です。

押印は不要です。

中段:直近6か月の支給人員と支給額

中段には、申請の日の前6か月間について、月ごとの「支給人員」と「支給額」を書きます。

役員ひとりに月20万円を払っているなら、各月に人員1、支給額200,000円と書きます。

この欄は、「常時10人未満」の条件を満たしているかを税務署が確認するためのものです。

役員報酬のほか、従業員やアルバイトの給与も含めて書きます。

下の欄の「現に国税の滞納があり、または最近において著しい納付遅延の事実がある場合」は、該当しなければ空欄のままです。

設立直後の会社の書き方

会社を作ったばかりで、まだ報酬を払っていない場合は、中段の支給実績は空欄で構いません。

税務署からそのことを聞かれることはなく、筆者も設立直後に空欄で提出して承認されました。

設立のときに出す「法人設立届出書」や「給与支払事務所等の開設届出書」と一緒に出すのが、いちばん手間がありません。

記入例を表にまとめます。

欄 記入例(役員ひとり・月額20万円)
提出日・税務署名 提出する日と、会社所在地を管轄する税務署
住所・法人番号・名称・代表者 登記どおりの所在地、13桁の法人番号、会社名、代表者の氏名
給与支払事務所等の所在地 本店と同じなら「同上」
各月の支給人員・支給額(6か月分) 各月とも人員1、支給額200,000円(未払いの月は空欄)
国税の滞納・納付遅延の有無 該当なしなら空欄

いつから適用されるか・承認の流れ

納期の特例の適用開始を、提出した月の翌月に払う給与から・翌月末までに通知がなければ承認・出した月の分は翌月10日に納めるの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 承認はいつ決まるか
  • 適用は提出した月の翌月に払う給与から
  • 出した月の分の納め方

承認はいつ決まるか

申請書を出すと、税務署から承認または却下の通知が来ます。

国税庁の案内では、申請書を提出した月の翌月末日までに通知がなければ、承認されたものとみなされます。

実際には、通知が来ないまま承認扱いになるのが普通です。

筆者のときも、通知は届きませんでした。

適用は提出した月の翌月に払う給与から

特例が適用されるのは、申請書を提出した月の翌月に支払う給与からです。

たとえば4月に申請書を出した場合、5月に支払う報酬から特例の対象になります。

5月と6月に払った分の源泉所得税を、7月10日までにまとめて納めます。

ここを「出した月から」と勘違いすると、納付漏れになるので注意してください。

出した月の分の納め方

申請書を出した月に支払った給与の源泉所得税は、原則どおり翌月10日までに納めます。

上の例なら、4月に払った報酬の所得税は、5月10日までに毎月用の納付書で納めます。

設立直後で、申請書を出した月にまだ報酬を払っていなければ、この納付はありません。

年2回の納付書の書き方と、税額0円のとき

納期の特例の納付書の書き方を、納期等の区分に6か月分を書く・支給額と税額の合計を書く・税額0円でも提出するの3つに分けて図解したインフォグラフィックです。
  • 納付書(所得税徴収高計算書)の書き方
  • 税額が0円のときも「0円」で出す
  • e-Taxで納付する方法

納付書(所得税徴収高計算書)の書き方

納付に使う用紙は「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」で、納期特例用は通常の毎月用と別の様式です。

税務署に申請書を出すと、納期特例用の納付書が送られてきます。

「納期等の区分」には、1月から6月分なら「1月〜6月」、7月から12月分なら「7月〜12月」と書きます。

「俸給・給料等」の行に、6か月分の支給人員の合計(役員ひとりなら各月1人の合計で6)、支給額の合計、税額の合計を書きます。

役員報酬が月20万円で、毎月の天引きが4,000円程度なら、支給額1,200,000円、税額は6か月分の合計を書く形です。

年末調整で還付した額がある場合は、「年末調整による超過税額」の欄に書いて、本税から差し引きます。

税額が0円のときも「0円」で出す

役員報酬が少なく、天引きする所得税が0円のことがあります。

扶養控除等申告書を出していて、月額の報酬が8万8,000円未満なら、源泉徴収税額は0円です。

このときも、納付書は「0円」で税務署に提出します。

納める税金はないので、金融機関ではなく、税務署に郵送するか、e-Taxで送信します。

「0円だから何もしない」のではなく、「0円と申告する」のが正しい扱いです。

e-Taxで納付する方法

e-Taxを使うと、所得税徴収高計算書をオンラインで作成して送信し、そのままネットバンキングやダイレクト納付で納められます。

紙の納付書を金融機関に持っていく必要がなくなります。

会計ソフトの給与計算機能から、計算書のデータを作れるものもあります。

半年に一度の作業なので、手順を忘れがちです。筆者は7月と1月の予定に「源泉の納付」と入れて、前回の納付書の控えを見ながら作業しています。

毎月納付と納期の特例の比較

項目 原則(毎月納付) 納期の特例
納付の回数 年12回 年2回
納付期限 支払月の翌月10日 7月10日と翌年1月20日
対象者 すべての源泉徴収義務者 給与の支給人員が常時10人未満
対象の所得税 すべて 給与・退職手当・税理士等の報酬にかかる分(原稿料などは対象外)
必要な手続き なし 申請書を1回出す
1回あたりの納付額 小さい 6か月分がまとまるので大きい
ユイユイ

毎月10日に税務署に納めるなんて、絶対に忘れそうです。

ケイケイ

だから納期の特例を使う。申請書を1枚出せば、7月と1月の年2回で済む。ひとり会社なら、設立のときに出しておくのが定番だよ。

ユイユイ

申請書を出した月から、もう年2回でいいんですよね?

ケイケイ

そこが注意点。適用は出した月の翌月に払う給与から。出した月に払った分は、翌月10日までに普通に納めるんだ。

よくある質問

納期の特例は、いつから適用されますか?

申請書を提出した月の翌月に支払う給与からです。

提出した月に支払った分は、原則どおり翌月10日までに納めます。

申請書を出す期限はありますか?

期限はなく、いつでも出せます。

会社設立のときに、法人設立届出書などと一緒に出すのがいちばん簡単です。

従業員がいない、役員だけの会社でも申請できますか?

できます。

支給人員が常時10人未満という条件を満たすので、役員ひとりの会社は対象です。

源泉所得税が0円のときも、納付書は出しますか?

出します。

「0円」と書いた所得税徴収高計算書を、税務署に郵送するかe-Taxで送信します。

納付書はどこでもらえますか?

申請が承認されると、税務署から納期特例用の納付書が送られてきます。

届かない場合は税務署で受け取れます。e-Taxなら用紙は不要です。

従業員が10人以上になったら、どうなりますか?

「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を出し、毎月納付に戻ります。

届出書を出した日以後に支払う給与から、原則の納付に切り替わります。

まとめ:次の一手

源泉所得税の納期の特例は、申請書を1枚出すだけで、源泉所得税の納付を毎月から年2回(7月10日と1月20日)にまとめられる制度です。

申請書に書くのは、会社の情報と直近6か月の支給人員・支給額だけで、設立直後なら支給実績は空欄で構いません。

適用は提出した月の翌月に支払う給与からなので、出した月の分は翌月10日までに納めます。

次の一手は、国税庁のサイトから申請書のPDFを入手して、会社の情報を記入することです。

設立したばかりなら、法人設立届出書と給与支払事務所等の開設届出書と一緒に、まとめて税務署に出してしまいましょう。

法人設立届出書の書き方は、あわせて読みたい記事で確認してください。